2015年07月29日

中部沖縄トラフ調査航海(3)3日目

  • 期間:2015年7月27日~ 2015年8月7日
  • 場所:中部沖縄トラフ
  • 目的:中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査
  • 担当:杉村


本日3日目。
天候は快晴、海況は異常なし、大きな揺れなし。
条件は最高です。

予定通り8時30分、ハイパードルフィンは沖縄の青い海の中に吸い込まれていきます。
本航海の初ダイブ、みんなでハイパードルフィンを送り出します。


水深500mを超えた辺りからいそいそとコントロールルームへ上がっていき、通り過ぎる深海生物でも観察しようかと画面を見ていると・・・そこへ無線が。


「漁具が確認されました。(ハイパードルフィンの)ウィンチ巻き出し停止」
とブリッジから・・・。
エッ!これはひょっとして潜航中止?
「ウィンチ巻き上げ、揚収して、周囲を確認」


どうやら、マグロの延縄の仕掛けが流されているようでした。
これだけ天候と海況に恵まれていれば、それは漁船にとっても同じことですね。
漁の邪魔はできません、非常に残念です。

その後、しばらく経って主席研究者から調査場所の変更が通達されました。
ペイロード(搭載している調査機器)の関係上、この場から少し北に行った海域で、13時30分から潜航開始になりました。
昼食を済ませ、一休みしていると・・・ここでも漁具があるとの連絡が・・・。
もう、きょうは潜航がないのかと思いました。
・・・が、その後元の調査場所に戻って夜に調査潜航することが伝えられました。
漁具が入っているため、昼間は調査ができません。
ならば、夜間であれば大丈夫ということで、JAMSTECの許可をもらい、「なつしま」のキャプテン、ハイパーチームの運航長、主席研究者との相談で決定されました。

本日20時30分 潜航開始、翌朝5時00分 揚収。

前例はあるそうですが、それほど多くは無いと聞きました。
調査航海のチャンスは少ないですから、みんなこの日に合わせて調査機器を調整し、実験プランを練ってきています。
夜間であっても調査をしたいところです。

ということもあり、初の夜間ダイブ!
きょうから残り7ダイブ、昼夜逆転の夜間ダイブになります。
非常にドキドキしていますが、反面不安もあります。
体をうまく時間に合わせなくてはなりません。

えー、20時30分を朝の8時30分として・・・
夜中の0時00分を昼の12時00分と考えて・・・

頭がこんがらがってきましたが、何とか今夜からの調査についていきたいと思います。

光の届かない深海は、昼も夜も関係ないのでしょうか?
生き物の動きに変化はないのでしょうか?
果たして、どんなダイブになるのでしょうか?

それでは、またあした。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)NT15-14「なつしま/ハイパードルフィン」による中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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