2015年08月06日

中部沖縄トラフ調査航海(11)11日目

  • 期間:2015年7月27日~2015年8月7日
  • 場所:中部沖縄トラフ
  • 目的:中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査
  • 担当:杉村
足の踏み場のない低温室足の踏み場のない低温室


この調査航海も残すところあと2日。
きょうは台風の影響から、予定を1日繰り上げて鹿児島港に入港しました。

昨夜遅くに最後の海水の補給を終え、きょうとあすの朝を迎えます。
換水用と帰りの搬送用の海水でコンテナラボの低温室は、足の踏み場もありません。
入港が早まったおかげで、早めに研究機材を送り返す研究者もいます。
私も早めに少し生物を水族館へ送りました。
・・・無事ついてほしいです。

ざっと数えましたが 40個ほどはあったでしょうか、これでもまだ半分くらい。
改めて、この船の中にこんなに研究機材があったのか、まだこの倍近くはあるのかと思うとそれだけでも大変な航海だったんだと思います。
この航海が新たな研究成果に繋がっていくのかと思うと感慨深くなります。
いや、成果にしていくことが乗船した私たちの大きな責任です。

午後から少し時間があったので、あすの輸送用の足りなくなった物の買い出しをかねてちょっと鹿児島の港付近を散策してみました。
きょうはとても暑かったですが、桜島がとても雄大で美しかったです。

桜島

鹿児島は2回目ですが、何度見ても桜島はいいですね。
散策していると足下に“えのすい”の周りのようにたくさんの砂が見えます。
ですが、ここには砂浜がありません。
じつは砂ではなく、灰でした。
きょうもモクモクと煙が見えていました、風向きによっては「なつしま」のいる鹿児島港にもたくさん降り積もっているんですね。
近くのお土産物屋さんに灰を詰め込んだ缶詰(缶の名前は「ハイ!」でした)が108円で売っていましたよ笑。

桜島の灰を手にとってみた

と・・・きょうは調査とはあまり関係ない内容でしたが、自然相手の調査にはこんなこともあるということでした。

あすは、ついに調査航海最終日です。
採集された生物たちと共に水族館へ戻ります。
次は水族館でお会いしましょう。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)NT15-14「なつしま/ハイパードルフィン」による中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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