2016年11月11日

西部北太平洋調査航海(2)航海日誌2日目

  • 期間:2016年11月10日~11月25日
  • 場所:西部北太平洋
  • 目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」
  • 担当:杉村


本日は午前から「操練」がおこなわれました。
操練とは、船の緊急時の避難訓練だと思ってください。

これまで、「なつしま」や「新青丸」の航海でも操練はおこなってきましたが、特に今回は非常に寒く、海水温も低い場所が調査海域であるということで念入りにおこなわれました。
私たち研究者は、居室にあるヘルメット、救命用ベストそしてイマーションスーツ(防寒スーツ)をもって「よこすか」のファンネルデッキ(船の最上階に当たる広いデッキ)に集合した後、一等航海士よりさまざまな諸注意を受けました。
今回はそれだけではなく、イマーションスーツの着用訓練を初体験することができました。


イマーションスーツ

このスーツを着ていれば、0℃の海水に飛び込んでも体温を奪われることなく、しかも浮いていられるという優れものだそうです。
いざ着用すると ・・・ 宇宙服?のよう。
訓練中ちょっと不謹慎ですが、ついはしゃいでしまいました。


押谷研究員が着用してます

周りを見渡すと、オレンジ色のもこもこスーツがずらり ・・・ デッキの上にはちょっと異様な光景が。
自分の命を守るスーツですのでこんなことをいってはいけないのですが、なかなか見られる光景ではないので、思わずiPhoneのシャッターを切ってしまいました。


この海域にこのスーツが無い状態で飛び込めば、15分で気を失ってしまうそうです。
これから行く場所は私たち人間にとって、とても過酷な場所なんだと改めて実感しました。
訓練は重要ですね ・・・ 海でも ・・・ 陸でも。
実際に着ることにならないよう願いたいです。

海況は、今のところ良好。
船の揺れもそこそこ大きいですが特に辛くはありません。
・・・ですが、目的海域方面には、なにやら不穏な空気が漂っているよう。


「よこすか」からの夕焼け

さてあしたは、どのような1日になるのでしょうか ・・・ 。
何かどんでん返しの予感が ・・・ 。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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