2016年11月19日

西部北太平洋調査航海(10)航海日誌10日目

  • 期間:2016年11月10日~11月25日
  • 場所:西部北太平洋
  • 目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」
  • 担当:杉村


朝、目が覚めてみると・・・ なんか揺れてる!!!
でも、きょうは早朝から調査開始の予定だったはず・・・。
午前6:30作業の準備をして1ラボまで降りていくと・・・
ホワイトボードにはまさかの「待機」の二文字が・・・
きょうも待機ですか・・・ (>_<)。

そんな中にもちょっと感動的なこともありました。
ブリッジに上がると船の左舷側にたくさんのイルカがいるではありませんか。


「よこすか」のそばを泳ぐイルカ

体の大きさや体色からカマイルカのようでした。
40~ 50頭はいるでしょうか、こんなに大きなイルカの群れを見たのは初めてで、つい見入ってしまいました。
天候は雨、表層水温は約 7℃、波高 4m、風速 20mという中でもイルカたちは船のまわりを元気に泳ぎ回っていました。
逞しいですね、ちょっと得した気分でした。


こんな波の中でもイルカたちは元気!

イルカが幸運を運んでくれたのでしょうか、午後1時を過ぎた辺りからしだいに風が弱まり始め、波も少し落ち着いてきました。
すると首席研究員の藤木さんから、「CTDスタンバイです!」の声がかかりました。
その声を聞くやいなや、“待ってました”とばかりにみんな一斉にラボを飛び出しました。
手際よく観測準備が終了すると、CTDは海中に消えていきました。
観測を終えてCTDが上甲板に降ろされると、みんなで一斉に採水に取りかかります。
※CTDには 12本のニスキンという採水器が取り付けてあります。


測定用の海水を採水中です

ニスキン1本につき採水瓶だけでざっと 10種類以上はあったでしょうか。
海水中の溶存酸素量や栄養塩の測定など・・・ 測定する内容によってフィルタを通したり、空気を混ぜないように瓶に移したりとなかなか大変そうです。
それだけ、測定には多くの測定項目や手間もかかるということなんですね

続いては、いよいよ我々プランクトン採集チームの出番です。
「しんかい6500」を支える巨大なフレームに、大きさ 1m前後のプランクトン採集ネットが吊されます。
何とも豪華なクレーンですね、ちょっと異様な感じがしました。


Aフレームにプランクトンネット

そうこうしているうちにネットは上げられ、プランクトンが採集されてきます。
集められたプランクトンは海水ごとビーカーに集められ、直ぐさまソーティング(選別)されていきます。
作業が終了した今・・・ 既に時計の針は午前0時をまわっています。
もうちょっと、残務がありますのでもう一仕事してからきょうは就寝です。

やっとのことで長い 1日が終わります。
と、いうことできょうのお話はここでおしまい。
どんな生物が採集されたかは、あすのお楽しみということにいたしましょう。

では、お休みなさい。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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