2017年02月14日

初島沖 キンメダイ乗船採集キンメダイ採集/岩崎

  • 期間:2017年2月14日(火)
  • 場所:初島沖 水深200~300m
  • 目的:キンメダイ採集
  • 担当:崎山、戸倉、岩崎


“初島沖”
この響きを聞くと「グッ」と腹に力が入る。
今年もこの季節がやってきた!
2月14日(火)、夜が明けきらぬ早朝、3名のトリーターを乗せた釣り船天恵丸は、初島沖を目指して湯河原福浦港を出港した。

初島沖でのキンメダイ釣りシーズンは、12月~翌年3月末まで。
2月はキンメダイ釣りのベストシーズン。
海の表層水温が最も低くなるこの季節は、船上でのトリートメントにも最適なのだ。
しかし、寒気と暖気が入り混じる2月は、冬の季節風が強まる日も多い。
初島沖では、毎年高いうねりと冷たい強風に打ちのめされてきた。
船に”ドドーン”と打ちつける強烈な風と波のパワーに対応するため、否応にも腹に力が入るといったわけである。

出港時にちらついていた雪がうそのよう。
西の空に浮かんだ月が水面を照らす。
東の空はうっすらと明るくなって、オレンジ色の光が見えてきた。
いよいよ初島沖に到着。
風は弱くうねりもほとんどない。
千載一遇のチャンスだ。

「それでは始めましょう!」
「水深 230m前後です」
船長の合図で仕掛けを下す。
水底まで落とすと早速反応が。
「1mくらい巻いてください」
また反応が。
「もう1m巻いてください」
またまた反応が。
「サメに狙われるのでそろそろ上げましょう!」
竿が“グググ”っとしなる。


200m・150m・100m・50m・・・10m・5m・・・。
深海の釣りは、仕掛けを下すのも巻き上げるのも時間がかかる。
気持ちは高まるがここで焦ってはいけない。
ようやく仕掛けが上がってきた。
見えた!
この赤い背中はまぎれもない“キンメダイ”だ。
1尾・2尾・3尾。
いきなり3尾ついていた!
仕掛けが長いので船に獲り込むのも大変である。
活かして持って帰ることが目的なので、あまり雑には扱えない。
仕掛けがからまないようにかつ、魚を傷めないように生簀の中へ魚を入れる。


「いい群れがいますよ」
「明るくなる前の2~ 3投が勝負です」
興奮覚め止まぬまま2投目を入れた。
ガツン。
1m上げる。
ガツン。
また上げる
ガツン。
「そろそろ上げましょう」
またもや竿は小気味良くしなる。
ところが・・・
グッ!ググググッ!
プツン!
「ああっ悔しい!」
「サメに全部持っていかれましたね」
「3mを超えるようなのがいて、キンメダイを狙ってくるんですよ」
そんな大物がウヨウヨいるのか。
海はすごいな。

朝日が昇り、空がだいぶ明るくなってきた。
残されたチャンスはあと少し。
仕掛けをつなぎ直して再び挑戦。
サメが来ないように願いつつ釣りを続けた。
幸いにも群れは散っていなかった。
一度に 5尾かかることも!
サメにも襲われることなく、早々に目標数を確保。
生簀が満杯になったところで、キンメダイ釣りは切り上げた。


これがキンメダイ釣りか。
この日、海の女神は我々に微笑んだ。
バレンタインデー万歳!

こうして確保したキンメダイ。
かなりボリュームアップした展示をぜひご覧ください。


ご協力いただきました天恵丸さん、ありがとうございました!


[協力] 湯河原福浦港 天恵丸

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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