2020年01月09日

相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(3)航海日誌3日目

  • 期間:2020年1月7日~1月11日
  • 場所:相模湾・伊豆小笠原海域
  • 目的:シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海
  • 担当:杉村


本日航海3日目です。
天気は快晴、伊東の港近くは穏やかですが、沖合はうねりが強いです。
本日は、午前中に初島沖にダイブです。
しかし潜航開始の時、うねりが強くてハイパードルフィンを甲板からなかなか釣り上げられず、20分ほど待機です。
キャプテンの指示で新青丸の向きを変えることで、しばらくすると船は安定し、ハイパードルフィンは無事に相模湾の海底に沈んでいきました。

きょうは、甲板から見える富士山が綺麗に雪化粧でとっても美しく、さらにハイパードルフィンの後ろには初島がくっきりと見えていました。
何度もこの海域に来ていますが、きょうのような景色を観るのは初めてです。
ついつい、カメラのシャッターに指がいってしまい、いつの間にか連写モードに・・・


ハイパードルフィンと富士山、
そして初島のベストショット?!

きょうのミッションは、一昨日できなかったヒバリガイとシロウリガイの現場処理作業とそれぞれのサンプリングです。
相模湾の水深 900m付近の急な斜面の泥と岩場には、シンカイヒバリガイとヘイトウシンカイヒバリガイの大きなコロニーがありますが、そのコロニーの合間の泥が堆積しているような場所にもシロウリガイの小さなコロニーがパッチ状に点在していました。
サンプリングされたシロウリガイは、ずしっと重く手の平くらいの大きさでなかなか立派でした。
数年ぶりのシロウリガイとの対面でした・・・ やっぱり感動です。
ハイパードルフィンは海底での作業を終えて離底。


調査中のようす
みんなでハイパードルフィンから送られてくる映像を見ています。
ちなみに私は、映像からキャプチャを撮ったり、デジカメで写真を撮る係です。


船上で引き揚げられたサンプルの処理を始めてしばらくすると、新青丸は明神海丘に向けて走り出しました!!
ついに小笠原に向けて、いよいよ出発です!
・・・ と、テンションが上がる間もなく、大きく揺れ始めました。
このままでは、揺れで水槽から水がこぼれて出してしまいます。
ソーティング作業も早々に、慌てて水槽の水を半分くらいまで減らして、揺れ対策を始めましたが、それでも予想以上の揺れです。
船内の移動は、壁と手すりに身体を預けながらでないとまともにできないほどです。
油断するとデスクの上のPCや実験器具が床に落ちてしまうほどです。
黒潮を横断することは、非常に大変なんですね。
低気圧も関係しているのでしょうが、体験して改めて実感しています。
それにしても・・・ ものすごい揺れです。
ベットに寝ても、コロコロと転がってしまいそうです。

さあ、このまま無事に小笠原海域に到着できるでしょうか・・・

では、またあした。



JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-1 新青丸/ハイパードルフィン 「シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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