きょうは調査 6日目、いよいよ最後の調査です。
1週間が、あっという間に過ぎようとしています。
きのうには薩摩硫黄島を出港して、水深 200m付近でビームトロール調査をおこないながら、種子島の西之表港に入港。ビームトロールで採集された生物の写真をちょっと紹介します。大きさが 1~ 5cm程度で小さな生き物たちでした。
今朝は、いつもより1時間早く7時には種子島の西之表港を出港して、水深 1,000m付近の海域へ移動しました。水深 600mと 50mを目標に ORIネットという、大きなプランクトンネットを使った曳航調査をおこないました。
水深は約 1,000m地点、中層域を遊泳している深海魚やプランクトンなどを採集して、その生息調査をおこないます。
深い方の ORIネットの中の多くはカイアシ類でした。
その中にはカエルアンコウの仲間(ハナオコゼでは?)の稚魚やホウズキイカの仲間などが、採集されました。
その他には、ハダカイワシの仲間やムネエソの仲間を見ることができましたが、採取された魚類のどれもが 1~ 3cm未満という小ささ。今回は潮流の関係もあって、目標の 600mまではネットが届いておらず、黒い系の深海魚を採集することはできませんでした。浅い方の ORIネットにはネズッポの仲間の稚魚やタコ類の幼生が採集されました。
採集後は、少しでも状態の良いときのようすを記録に残すために、航行中の揺れた船の中で何とか写真を撮影しました。数は多くはありませんでしたが、カエルアンコウの仲間やネズッポの稚魚など普段は見ることのできないような魚などに出会うことできた調査でした。
ORIネットの調査を最後に今回の調査の全工程を終了しました。
一緒の乗船している学生のみなさんも朝から夜遅くまで、自分の研究のサンプルを集めたり、水質の測定をしたり、みんな精力的に狭い船内を動き回っていました。
・・・私の学生時代には無かった経験をしているみんながちょっとうらやましく思いました。
あとは、呉港に向けて回航が始まります。
きょうはとても海況が良いので、船の揺れも大きくはなく、気持ちの良いくらいの揺れが続いています。あすもきょうのように海況が良いといいのですが。
今夜は、船内で反省会、今回の調査航海について最後の夜をみんなで語り明かしたいと思います。
それでは、きょうはここまで。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。