2024年05月14日

勢水丸 三重県沖生物採集(2)
2日目 10数年ぶりの航海/北田

  • 期間:2024年5月13日(月)~ 5月17日(金)
  • 場所:三重県沖(熊野灘)
  • 目的:生物採集
  • 担当:北田・加登岡


みなさま、ご無沙汰しております。
きょうはえのすいトリーター日誌やフィールド調査日誌では、しばらく登場していない北田が 2日目を担当させていただきます。

2日目といっても 1日目のソーティング作業中に日付が変わりました。
きのうの加登岡トリーターが報告に載せた写真の砂利の中にはラスバンマメガニが大量に隠れていました。
このカニは以前えのすいで展示したことがあります。

2日目の午前はきのうの悪天候で伊勢湾から出られませんでしたので、船を志摩の南西あたりまで移動しました。
途中、伊良湖岬を過ぎたあたりから船はかなり揺れはじめ、船上あるあるの閉鎖空間の中にいるはずなのに人に会わなくなる現象が起きました。
私の最近は海水に全く触れない業務なので、10数年ぶりのこの航海調査で久々に全身に海水を浴び、船酔いに倒れる経験をさせていただいています。

伊勢湾から沖へ出た午後は、水質測定、ドレッジ、トロール調査を次々に行なっていき、船内の水槽も賑やかになってきました。
本日の成果の中ではおもしろい形をしたビワガニを今回連れて帰れると思います。

この後更に南へ移動し夜にはプランクトンネットを使った中深層生物の調査が始まりました。
直径 1.6mの大きなプランクトンネットを 1時間程曳き、採集された生物を調査します。
今 1回目のネット曳きが終わりましたが、これまた懐かしいシンカイエビが入っていました。
こちらも以前えのすいで初展示したことがある種です。
クラゲと同じ弱めの水流水槽で、ピンセットで口付近にコマセアミを与えると捕まえて食べたり、水槽内で脱皮も確認できた深海時代の思い出の一つです。

ただいま、このプランクトンネットを海中に曳いている待機時間にこの日誌を作成していますので、今晩はプランクトンを見ながら 3日目に突入いたします。


三重大学大学院生物資源学研究科 附属練習船「勢水丸」(三重大学)での北里大学海洋生命科学部の乗船実習

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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