2026年02月27日

相模湾鯨類調査

  • 期間:2026年 2月27日(金)
  • 場所:相模湾
  • 目的:相模湾に来遊する鯨類種特定に関する調査研究
  • 担当:花上・浦﨑・伊藤


相模湾での鯨類目視調査に行ってきました!

今回も「でいとう丸」に乗船し、相模湾の鯨類目視調査を実施しました。
メンバーは毎度おなじみ、花上、浦﨑、伊藤に加え、調査実習として東京ECO動物海洋専門学校の先生と学生のみなさんが参加しました。

本来は25日に出航予定でしたが、あいにくの悪天候のため、27日に延期となりました。27日も風の予報が心配ではありましたが、何とか調査を実施できる海況まで回復。
秋から 3回連続で鯨類の発見に至っていなかったこともあり、今年度ラストとなる今回の調査では「絶対に見つけたい!」という強い気持ちでの出航となりました。

2月23日には関東で春一番が吹いたと気象庁から発表があり、暖かい日も増えてきました。季節の移ろいを感じるこの時期、海の中も変化しているはず、、、!
そんな期待を胸に船を走らせます。

事前の鯨類情報は、西湘エリアでのイルカ目撃情報、そして調査前日26日に茅ヶ崎で確認されたスジイルカのストランディングです。

今回は北風の影響を考え、いつもとは逆回りの航路を選択。
相模湾中央部の深場を通ってから静岡側沿岸へ向かい、沿岸沿いを進んで江の島へ戻るルートです。

実際の航路がこちら↓


視界は抜群。富士山も水平線もくっきり見える最高のスタートとなりました。

早朝、海上から見る富士山早朝、海上から見る富士山

そして出航から約45分。
ついに鯨類のブローを確認!!! 発見したのはハナゴンドウです!
波がやや高く、目視で追い続けるのは簡単ではありませんでしたが、波間におよそ 5頭を確認しました。

約15分観察したのちさらに進むと、25分ほどで再びハナゴンドウを発見。背びれの形状や体の模様から、先ほどとは別の群れと考えられます。こちらは約12頭の群れで、船のすぐ近くまで寄り、水中で泳ぐハナゴンドウの白い体がしっかり見えました。

最初の群れを確認した場所は水深約680m、次の群れは約1,000m付近。朝の時間帯にこのような深場を利用しているのか、それとも一日を通してこの海域に滞在しているのか、あるいは偶然だったのか、今後の調査で解明していきたい点です。

出航から約 2時間でハナゴンドウを 2群確認。久しぶりの鯨類発見に船上の空気は一気に明るくなります。(調査メンバーの気持ちも大分軽くなりました、、、!)
しかし調査はまだ序盤。気持ちを引き締め直し、他の鯨類を探します。

大島周辺海域や沖合は海況が悪化しそうだったため、10:30頃から沿岸沿いへ進路変更。伊東付近から沿岸を進んでいきます。

そして12:40頃、二宮沖で再び鯨類の背びれを確認。
約 5頭の小さな群れで、船の周囲をゆったりと回遊していました。

背びれは見えるのですが一瞬で潜ってしまい、写真撮影には苦戦。
するとその時! 視界の端、水平線上で大きな水飛沫が上がっているのを確認!
しかも、こちらへ向かってきます!

慌てて双眼鏡で確認すると、なんとバンドウイルカの大群。
80〜 100頭ほどの群れがどんどん近づいてきます。大移動中のような速いスピードで駆け抜けていきます。

何度もブリーチングを繰り返す個体や、親子の姿も確認できました。
船首や船下近くまで寄り、波に乗るようすも見られましたが、速度は最後まで落ちませんでした。

ブリーチング/子イルカブリーチング/子イルカ

進行方向の先に大量の餌があり、それを目掛けて一目散に向かっていたのか、はたまた天敵となるシャチ等の大型鯨類の存在から逃げてきたのか、、、いずれにせよ何か明確な目的をもった行動であったと考えられます。

その後も江の島へ向かう途中で再び水飛沫を確認。こちらは一度のみの目視で種の特定には至りませんでしたが、約 5頭の背びれが確認されました。一日でこれほど多くの鯨類を確認できるとは思わず、船上は大興奮です!

さらに江の島沖でも船前方に大きな水飛沫が上がり、再びイルカかと身構えましたが、こちらはクロマグロ。全員がイルカと見間違えるほどの立派な個体で、江の島沖にもマグロが入ってきていることに驚かされました。

興奮冷めやらぬまま片瀬漁港へ帰港。これにて今年度の調査は終了です。
この一年間、相模湾でハナゴンドウ、スジイルカ、バンドウイルカを確認することができました。
「相模湾にどのような鯨類が、いつ、どこで、何をしているのか」そこまで解明できるよう、来年度も引き続き調査を進めていきます。今年度の反省を生かし、来年度はもっと多くの発見をみなさまにお届けできるよう、フィールド調査担当メンバー一同がんばります!

そして相模湾で鯨類を見かけた際には、ぜひ新江ノ島水族館へご一報ください。
直近の目撃情報は私たちにとって大きな手がかりになります。
今後ともよろしくお願いいたします!


ハナゴンドウの群れ

バンドウイルカの群れ

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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