普段よく目にするこの姿は「クラゲ」というよりは「ポリプ」の群体で、「盤(float)」、「触手個虫(dactylozooid)」、「栄養個虫(gastrozooid)」、「生殖個虫(gonozooid)」で構成されています。
毎年夏になり強い南風が吹くと、えのすいの近くの砂浜にカツオノエボシなどとともにやってくる、おなじみのクラゲの仲間です。
今年の6月、新江ノ島水族館、東京大学理学系研究科附属臨海実所(三崎臨海実験所)、国立遺伝学研究所、東海大学生物学部生物学科、イェール大学との共同研究で、本種に関する論文が掲載されました。 本研究では、相模湾で採集されたさまざまな大きさのギンカクラゲを対象に、組織切片やマイクロCTによる組織形態学的な観察が行われ、群体の大きさに関わらず、中央に必ず1つの栄養個虫が存在することや、群体の成長にともない触手個虫や生殖個虫の数と大きさが増加することなどが明らかとなりました。
今回展示しているギンカクラゲは、9月 9日に三浦半島周辺海域で採集されたものを三崎臨海実験所の准教授 小口さんと技術専門職員の幸塚さんから譲っていただいたものです。
非常に状態がよく、運が良ければポリプから1mmほどのクラゲが遊離するようすも見ることができると思います。 ぜひじっくりと観察してみてください。