2025年09月10日

かわいい学名 ぽるぴた・ぽるぴた
「ギンカクラゲ」展示開始!

  • 展示開始日:2025年 9月 10日(水)~
  • ギンカクラゲ (銀貨水母)
  • 学名:Porpita porpita
  • 刺胞動物門 ヒドロ虫綱 花クラゲ目 ギンカクラゲ科
  • 大きさ: 約 4cm
    採集場所: 三浦半島周辺海域
    展示場所: クラゲサイエンス

普段よく目にするこの姿は「クラゲ」というよりは「ポリプ」の群体で、「盤(float)」、「触手個虫(dactylozooid)」、「栄養個虫(gastrozooid)」、「生殖個虫(gonozooid)」で構成されています。
毎年夏になり強い南風が吹くと、えのすいの近くの砂浜にカツオノエボシなどとともにやってくる、おなじみのクラゲの仲間です。
今年の6月、新江ノ島水族館、東京大学理学系研究科附属臨海実所(三崎臨海実験所)、国立遺伝学研究所、東海大学生物学部生物学科、イェール大学との共同研究で、本種に関する論文が掲載されました。 本研究では、相模湾で採集されたさまざまな大きさのギンカクラゲを対象に、組織切片やマイクロCTによる組織形態学的な観察が行われ、群体の大きさに関わらず、中央に必ず1つの栄養個虫が存在することや、群体の成長にともない触手個虫や生殖個虫の数と大きさが増加することなどが明らかとなりました。

今回展示しているギンカクラゲは、9月 9日に三浦半島周辺海域で採集されたものを三崎臨海実験所の准教授 小口さんと技術専門職員の幸塚さんから譲っていただいたものです。
非常に状態がよく、運が良ければポリプから1mmほどのクラゲが遊離するようすも見ることができると思います。 ぜひじっくりと観察してみてください。

図: (A) ギンカクラゲの群体。 (B) マイクロCTによる群体の断面構造。 (C) 本研究により明らかとなったギンカクラゲ群体の内部構造の模式図。

掲載誌
Frontiers in Zoology
論文タイトル
Zooid arrangement and colony growth in Porpita porpita
(ギンカクラゲにおける個虫の配置とコロニーの成長)
著者
Kohei Oguchi ¹, ², Akiteru Maeno ³, Keita Yoshida² , Gaku Yamamoto⁴ , Hisanori Kohtsuka¹ & Casey W. Dunn⁵
(1. 東京大学理学系研究科附属臨海実験所, 2. 東海大学生物学部生物学科, 3. 国立遺伝学研究所, 4. 新江ノ島水族館, 5. Yale University)
Frontiers in Zoology volume 22, Article number: 11

※短期間の展示となる可能性があります。ご了承ください。

クラゲサイエンス

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