ウサギの耳を思わせるかわいらしい姿のコトクラゲは、1941年に昭和天皇が江の島沖で初めて採集されたクシクラゲの仲間で、1942年に京都大学の駒井卓博士により新種として記載されました。学名(Lyrocteis imperatoris)は発見者である昭和天皇への献名で、種小名の「imperatoris」は天皇を意味しています。
展示個体は、2025年 11月 11日の江の島沖での水中ドローン調査において成体のコトクラゲを採集した際に、キャニスター(採集した生物を収容する容器)内で放出された幼生です。百数個体放出され、展示と併せて、バックヤードでも育成をおこなっています。採集された成体は、深海Ⅱで展示をおこなっていますので、併せてご覧ください。
生まれたばかりのコトクラゲは、他のクシクラゲ類(カブトクラゲなど)と同様に櫛板を持ち、浮遊生活をおこないます。その後、成長に伴い櫛板はなくなり、着底、大人の姿へと変化していきます。



オーシャンショット研究助成事業は日本財団の助成を受けて笹川平和財団海洋政策研究所によって実施されている。
新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究をおこなっています。