2015年07月22日
トリーター:加登岡

新たな取り組み 2

体温測定中体温測定中

前回のトリーター日誌(2015/ 06/ 04 新たな取り組み)で、「ミュー」と新たなトレーニングとして胃液の採取のトレーニングをしていると書きました。実は同時に違うことも始めていました。それが採尿のトレーニングです。

どのように採尿をするかというと、“えのすい”では陸場へ横向きでイルカに上がってもらい、膀胱がある周辺を手で押す、圧迫刺激で尿が出るようにトレーニングしています。
今回私が担当している「ミュー」ですが、飼育しているプールが繁殖用のプールであるために陸場がありません。そこで尾びれを持って水面に浮いている状態で膀胱を圧迫することにしました。しかし、当然のことながら水の上ですので、陸場に比べて力が伝わりにくいです。

そしてこのトレーニングの難しい所がもう一つ。それは、尿が出るかどうかは運次第ということです。
膀胱を押したからといってイルカにとっては何のことだか分かりません。さらにはトレーニングをする前に排尿していたら、出てくる尿がありません。

ではどのようにして採尿ができるようになるかというと、膀胱を圧迫して刺激した時にたまたま尿がでたら、いっぱい魚をあげて褒めるのです。
これを繰り返します。
運と地道なトレーニングが必要となるのです。
初めは何で魚がもらえたのかわからなくても、尿が出たときにたくさん魚をあげるのを繰り返すことで、尿が出たときに魚がもらえることを学習し、採尿ができるようになります。

胃液の採取は定期的にできるようになりましたが、採尿はまだ一度もできていません。採尿ができるようになるまでにはまだまだ時間が掛かりそうです。

イルカショースタジアム

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