2016年06月04日
トリーター:杉村

JAMSTECとの共同研究:シロウリガイ類の長期飼育実験開始 その 2 今回の飼育実験は・・・

シロウリガイの飼育実験が始まって 3週間ほどが経ちました。
現在実験が続行できている個体は、 1個体となってしまいました。
今回の飼育実験は予想以上に困難です。

実験環境がこれまでの飼育実験とはいくらか違いもあるため、このような結果になることもあるのでしょうが、それはそれで改めてシロウリガイ飼育の難しさを感じます。
内心ショックも受けていますが、この結果の原因を考えなくてはなりません。
飼育環境内の硫化水素の問題なのか、泥の熟成の度合いによるものなのか、それとも別の要因なのか。
この考察が今後の飼育実験に繋がっていくと思っています。
めげてはいられません。

現在は 、 1個体となってしまいましたが元気そうには感じます。
泥に殻を半分ほど埋めて、水管(アサリでよく見る 2本の管を思い出してください)をよく伸ばしています。
どうやら、最近動いています。
飼育中のシロウリガイの近くを見ると、泥の表面が他の場所に比べて真っ黒になっているのは、移動して泥を掘った跡です。
今は、残ったシロウリガイの行動を調査中です。
このことから、新たに何か分かるかもしれません。
数は少なってしまいましたが、生きている限り研究は続きます。

シロウリガイの他にオウナガイという白い二枚貝も同時に飼育実験中です。
オウナガイは、シロウリガイよりは丸い貝です。
泥の真ん中あたりに、鎮座しています。
このオウナガイについてもほとんど生態は分かっていないので、シロウリガイともに観察を続けていきます。

ぜひ、今後も不思議の詰まったこの貝たちを見守っていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

バックナンバー
2016/ 05/ 12 JAMSTECとの共同研究:シロウリガイ類の長期飼育実験開始 その 1

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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