2018年08月29日
トリーター:岩崎

相模湾旬の魚図鑑 その8 シロギス

シロギスシロギス

味よし引きよし姿よし。
釣りの醍醐味 3拍子がそろったシロギス(Sillago japonica)は、“海の女王”といわれています。
産卵期は夏から秋で、水温が高くなる5月頃から、沿岸からの投げ釣りで釣れ始めます。
秋の終わり頃までは、砂や泥の混じった浅い海で、積極的にイソメ類や小型の甲殻類などを食べて生活しています。
好物のイソメ類を餌にして、岸の近くで簡単に釣れることから、夏場は初心者でもシロギス釣を楽しむことができます。
冬になると水温が安定している水深 30m以上に移動していきますので、冬場は上級者向けの沖合での船釣り対象魚となります。
日本沿岸に広く分布して、最大で 35cmにまで成長。
20cm以上になるとかなりの釣り応えがあります。
輝く白銀色に淡い紫色が入った美しい姿と相まって、一度釣ってしまうと虜になってしまうのがシロギス釣りです。

口の中でふっくらとけていくような上品な白身は、天ぷらのネタとして最上級で、大きなものは刺身や寿司ネタ、焼き物としてもおいしくいただけます。
味で人気があるシロギスですが、人間以外の生物にもたいへんな人気があるようです。
シロギスを水槽に入れると、あっという間に食べられてしまうのです。
砂に潜って隠れたり、素早く泳いだり、シロギスは天敵からの防御力はあると思うのですが、おいしさ故にそれを上回るような執念で食べてしまう“誰か”がいるのです。
大水槽の浅瀬に入れた時には、トラウツボがものすごい勢いでシロギスに襲い掛かっているのを目撃。
今回は漁港水槽に入れたのですが、また“誰か”に食べられているようで、みるみるシロギスの数が減っていきます。
コバンザメでしょうか? イセエビでしょうか? いったい誰?
現場を押さえていないので、犯人は不明です。
現在シロギスが安住できる水槽を見つけるべく、担当トリーターが頭を捻っているところです。
人気がありすぎる“海の女王”シロギス。
展示のゆくえにご注目ください。

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