2020年05月02日
トリーター:羽田

新しい命の誕生

“えのすい”のホームページでお知らせしましたが、4月21日の20時54分にバンドウイルカの「シリアス」が元気な子イルカを出産しました!
出産の立会いは何度経験しても緊張するもので、子イルカの尾鰭が出始めてから無事に産まれてくるまでの時間がとても長く感じます(頭の上にある鼻で呼吸するので、水中で出産するイルカは尾鰭から出てくるのが正常なんです)。
産まれてすぐの子イルカが壁にぶつかって怪我をしないよう、ベテラントリーターたちがプールの角に立って産まれる瞬間を待ちます。

「さっきより尾鰭出てきた?」
「いや、あんまり変わっていないと思う」

数分後

「さっきより尾鰭出てきた?」
「少しだけ出た気もする」
「気のせいじゃない?」

そんな会話が繰り返されること 1時間半

「結構出てきたから、もうすぐかも」
「暗いから気をつけていこう」

・・。


・・・・・・。


「産まれた!!!!」

誰かがそう叫んだ瞬間、子イルカの姿がプールの中に見えました。

壁にぶつからないようガードだ!!
“えのすい”が誇るベテラントリーターたちが意気込みます!!!!

ところが。
これまで何度も子育て経験のある「シリアス」はトリーターより大ベテラン。
子イルカが壁にぶつからないよう、出産してすぐ壁と子イルカの間に入って上手に泳いでくれました。


トリーターはすること無し!!
母は強し。

その後も「シリアス」は上手に子イルカの泳ぎをサポートして、1時間程すると授乳行動も見られるようになりました。
初めて子育てするイルカだとこうはいきません。

とてもとても順調な出産でした。



そして、今回の子イルカの父親は“えのすい”のイルカではないんです。
山口県にある しものせき水族館『海響館』の「ダン」という雄のイルカの精子を使用し、人工授精によって誕生した個体なんです。
人工授精による出産はえのすい初。
こちらについてはまた後日お話できればと思います!


世界中が大変な状況の中で元気に産まれてきてくれた子イルカを、「シリアス」と一緒にこれから元気に育てていきたいと思います。
現在“えのすい”はお休みをいただいているので、その姿をみなさんに見てもらえないのが非常に残念です。
なので、これからも子育てのようすをどんどん発信していきます!!
楽しみにしていてください!

では、今回は親子の写真で癒されてください!



新江ノ島水族館初 人工授精でバンドウイルカの赤ちゃん誕生!

イルカショースタジアム

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