2020年10月17日
トリーター:鈴木

オオニベ展示中です

オオニベオオニベ

こんにちは、鈴木です。

先月より沿岸水槽で大変珍しい魚の展示が始まりました。
その名も「オオニベ」です。

大型のニベ科の魚ということで、オオニベと呼ばれますが、これが本当に大きいんです。
魚屋さんによく並ぶニベ科の魚にイシモチ(シログチ)という魚がいますが、せいぜい 30㎝程度です。対してこのオオニベはなんと最大 150㎝! 大きい!!
そして 150㎝の大きさになるころには体重は 30㎏に達します! 重い!!
日本で 17種類ほど知られるニベ科の中では最大です。

ぎらぎらしたしっかりとした鱗に覆われ重厚感がありカッコよく、さらに何ともスマートな小顔でとにかくぎらぎらしている魚です。思わずぎらぎらと2回いいたくなるくらい本当にカッコいい魚です。
ぎらぎらした魚の代表種といえばスズキですが(私感)、その度合いではスズキにも劣りません。それもそのはず、この魚には有名な別名があって、「ミナミスズキ」といわれているんです。
現在展示の個体は 60㎝ほどなので、今の倍以上になると考えると、期待が膨らみますね。

オオニベは、南日本の太平洋側、東シナ海、台湾、オーストラリア南部、インド洋に分布し、水深 150mまでの砂地や河口付近に生息します。
日本では、九州が主な産地となっており、特に宮崎県では県魚に指定され、養殖も行われているそうです。砂浜の大物釣りとして人気があり、釣り関係のメディアにもよく取り上げられています。
もともと、九州以外ほとんど市場に出回ることはなく、さらに、釣ることが難しいことから、この魚を狙う釣人たちの間では「幻の魚」と呼ばれるそうです。

最近では関東の市場にも出回るようになり、切り身などでスーパーでも売られているとのことですが、私はまだ見たことはありません。・・といいますか、私はもちろん、大ベテランのトリーター含む、“えのすい”の現トリーターの誰も実物は見たことがないんです。
地元の定置網には幾度となく乗船していますが、気配すら感じたこともなく、水揚げされているところも見たことはありません。図鑑を見ると相模湾で採れるのは稀、と書かれています。

今回のオオニベは、私ともう一人のトリーターで乗船した定置網で運よく採集できました。
実は見つけたのは私ではなくもう一人のトリーターです。このトリーター、実はこの回が初の定置網乗船でした。
無数に入網する他の魚の中に1匹だけいたオオニベを見つけるなんて・・・。
ほんと、持ってるなーっと思いましたね(笑)GJですね!!

私もこのような珍しい魚を飼育できる機会に出会えて本当に嬉しい限りです。
このオオニベ、もちろん “えのすい”初展示です。
ただいま絶賛試行錯誤飼育展示中ですが、まだ摂餌を確認できておりません。
体は大きいですがかなり繊細なので、おそらくまだ水槽に慣れていないのだと思います。
大きく成長する姿をお見せできる日を目指して、これからも頑張りたいと思います。
もしかしたら、短期の展示になるかも知れませんので、ご覧の際はぜひお早めに!




定置網採集のようす

[ 希少な巨大魚!!「オオニベ」初展示 ]

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