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えのすいトリーター日誌

2020.11.21 トリーター:八巻

2020/11/21 はじめて育てたかわいい稚エビ!

(写真 1) 抱卵するタギリカクレエビのメス
(写真 1) 抱卵するタギリカクレエビのメス

こんにちは、八巻です。
私は小さな生き物が大好きで、ぜひみなさんにもその魅力を知っていただきたいと思っています。
以前にもこちらでタナイスタイワンホウキガニの幼生について、書かせていただきました。
今日はタギリカクレエビのお話です。

タギリカクレエビ(写真1)は、鹿児島湾湾奥の水深 100m前後に位置するサツマハオリムシの群生域やその周辺に生息する全長 3~4cmほどの小さなエビです。
カクレエビのなかまは小さな種が多く、浅海から深海まで広く分布しています。
多くは他の生き物と特異的に共生していて、共生相手と同所的に観察できます。
タギリカクレエビもなぜかサツマハオリムシのコロニー内以外ではほとんど見られません。おそらく何かしらの共生関係にあるのですが、詳しいことは分かっていません。
また、サツマハオリムシは硫化水素をエネルギー源に栄養を合成するバクテリアと細胞内共生する、いわゆる化学合成生態系の一員です。タギリカクレエビも広い意味ではその生態系の一員ですが、硫化水素を利用できたり、化学合成バクテリアと共生していたりという事実は今のところ分かっていません。

したがって、タギリカクレエビは普通に餌を食べる比較的飼いやすい生き物です。
しかし、繁殖となると一筋縄ではいきません。
“えのすい”では過去にこのエビの繁殖に成功しているのですが、私自身が関わって稚エビまで育てたことはありませんでした。
それがこの度、稚エビになったのでとても嬉しいのです(写真 2)!


(写真 2) 着底直後の稚エビ

タギリカクレエビのメスは自分のお腹に卵をくっつけて育てますが、卵から生まれた直後はゾエア幼生と呼ばれ、エビとは全く異なった形をしています(写真 3)。


(写真 3) 孵化後約1カ月のゾエア

以前お話したタイワンホウキガニと一緒です。このような幼生(赤ちゃん)は自身も小さくて常に泳いでいるうえに、食べる餌も小さいので、水をきれいに保って飼育するだけでも一苦労なのです。

そしてなによりゾエアの形から稚エビの形にかわる着底と呼ばれるステップがとても難しいのです。
今回飼育していた幼生は約 2ヶ月のゾエアの期間を経て、無事着底しました。
甲殻類は脱皮をして大きくなりますので、ゾエアの時期も何度か脱皮をします。
何度目かのゾエアから脱皮すると、中から稚エビが出てくるというわけで、いつも泳いでいたゾエアがある日突然、水槽の底で稚エビになっているという、サプライズが起こるのです。

今回初めてそのサプライズを体験しました!
いやぁ、本当にうれしいものです。
そして目が大きく、親エビとはかたちも少し違ってとてもかわいい(写真2)。
以前の記録から大体 2ヶ月で着底することが分かっていましたが、いざ本当に着底すると驚いてしまうものです。

そして着底してから約 1週間で着底後初めて脱皮をしました。
心なしか目が小さくなったような気もしますし、倍くらいの大きさになったような気もします(写真 4)。


(写真 4) 初脱皮後の稚エビ

そして脱ぎ捨てられた脱皮殻は見事にエビの形をしていました(写真 5)。


(写真 5) 初脱皮の殻

今回稚エビまで育てられたのはこの 1匹だけですが、まだまだたくさんのゾエアを育てていますので、稚エビにする確率を上げ、親まで育て、水族館生まれ水族館育ちの親から稚エビに出来るよう、頑張っていきたいと思います。

このように水族館で繁殖に力を入れることは、野生生物を水族館内で保全するという域外保全につながります。
さらには野生の個体群に影響を与えることなく展示を続けることで、SDGsにうたわれる “持続可能な” 社会の実現への一端を担うことにもなるのです。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


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