展示一覧
- 相模湾ゾーン
- 深海Ⅰ ~JAMSTECとの共同研究~
- クラゲファンタジーホール
- 太平洋
- 皇室ご一家の生物学ご研究
- クラゲサイエンス
- ペンギン・アザラシ
- テーマ水槽
- なぎさの体験学習館
- イルカショースタジアム
- タッチプール
- ウミガメの浜辺
- カピバラ ~陽だまりの草原~
- 深海Ⅱ ~しんかい2000~
- カワウソ ~木漏れ日のオアシス~
- えのすいeco環境水槽
新年が明けても心配な日々が続きます。
さて、昨年の春、新型コロナ第1波中に、それまで滞らせていた研究を再開したと書きました。( 2020/04/29 在宅研究 )
その後日談ですが、昨年の夏から年末にいくつか世に送り出すことが叶いました。禍中にも関わらずご協力いただいた方々には、心から感謝です。( 研究発表 )
出せた中で最も思い入れのある研究を紹介します。ゴンズイとホンソメワケベラの掃除行動の観察です。内容は論文そのものを読んでいただくとして(ググっていただけたら読めます)、ここでは裏話などをメインに書いてみます。
このデータを集めたのは、なんと今から12~14年前、私が新人の頃です。
ほんとに不器用で、日々与えられた作業をこなすだけで精一杯。「業務中に研究」なんてとんでもありませんでした(妙な言い回しです)。当時も大水槽の担当で、掃除やショーで今の5倍以上は潜っていた気がしますが、作業ついでに魚たちを間近に見られて楽しいものでした。
私はどちらかと言えば、特定の個体に思い入れるより、その種が本来持っている生態に興味があります(ドライだと揶揄されることも…)。なので、餌をねだって寄ってくる大型の連中よりも、ちょこまかと掃除行動をしているホンソメワケベラに目が行きました。南の魚のイメージがあり、相模湾の魚に対して掃除するようすが新鮮でした。
気付けば作業のついでに、その行動を記録し始めていました。「いつの間にそんな記録をしていたの?」と問われますが、作業中にメモ帳なんて持ち込めませんでしたから、水中で見たことを暗記しておき、作業が終わってから急いでメモっていたのです。そのうちにゴンズイも掃除行動をしていることに気付きまして、同様に記録を始めました。
これらの結果は、上司からのすすめもあり、当時の水族館関係者の研究会で口頭発表する機会を得ました。
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