2021年03月19日
トリーター:八巻

メンダコチャレンジ2021 その2

みなさんこんにちは!八巻です。
今回は先日の杉村トリーターの日誌「メンダコチャレンジ2021 その1」に続き、みなさんご存知、深海のアイドル「メンダコ」のお話をしようと思います。
メンダコはダイオウグソクムシと共に屈指の有名な深海生物の一つといって間違いないでしょう。
“耳”がかわいらしいあの姿でたくさんの人を虜にしてきました。
深海担当をしている私ももちろん、メンダコの虜になった一人ですし、飼育したこともあります。
しかし、実は状態の良い元気なメンダコはほとんど目にしたことがありません。

幸い先日底曳網漁でとれたメンダコは非常に状態が良く、あまりメンダコを見たことがない私でも一目で状態が良いと分かりました。
というのは、杉村トリーターから元気なメンダコがどんな姿をしているか聞いていたからです。
元気なメンダコはみなさんが想像するあの丸くて耳のあるかわいい姿じゃないのです。
ぺったんこになって砂や泥をかぶっていて、とてもそれがメンダコとは思えません。


メンダコ 上から


メンダコ 横から

しかしそれもそのはず、メンダコのすむ深海の砂泥底は周りに何もありません。
少しでも出っ張っていたら目立ってしまい、敵に見つかりやすくなってしまいます。とても上手に擬態しているのですね。
元気なメンダコでさえとても珍しいわけですから、当然餌を食べるメンダコも見たことがありませんでした。
しかし今日、初めてその姿を見ることができたのです!

餌の食べ方はこうです。

1, まずは体の端、腕の辺りに餌のエビをおきます(白丸部分)。


2, すると、それに気づいたメンダコが、ぺったんこだった腕をニョロっと伸ばしてつかみます。



3, 4, そしてつかんだ餌を体の下に引き込むのです。



この後はぺったんこだった体の真ん中が盛り上がります。
おそらく裏側の体の中心にある口に餌を入れているからでしょう。
このように餌を食べ始めてくれれば、他の生物同様、最初の大きなハードルを乗り越えたと言えます。
このまま元気に餌を食べ続けてくれるよう、頑張って飼育していきます!
ぜひみなさんも、ぺったんこのメンダコを見にきてくださいね。

関連日誌
2021/03/13 メンダコチャレンジ2021 その1

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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