2021年04月10日
トリーター:羽田

えのすい社内勉強会!

みなさん、いきなりですが水族館には大きな4つの役割があるのを知っていますか?
どんな役割があるかというと、「種の保存」「環境教育」「レクリエーション」「調査・研究」です。
今回はその中の「調査・研究」についての取り組みを紹介したいと思います。

水族館ではさまざまな生物を飼育・展示しています。その中で生物やその飼育環境から日々たくさんのデータを得ることができます。
データというのはただ集めたら良いわけではなく、それをまとめ、分析してよりよい飼育に繋げることや新しい知見を世の中に発信することが大切です。
発信する場所はさまざまで、学会やシンポジウムで発表したり、論文として投稿したり、“えのすい”のイベントとしてみなさまにお伝えしたり、いろんな形があります。
ですが、データをまとめて分析するということはある程度の練習が必要で、いきなり大きな場所で発表するのはなかなか難しく、緊張するものです。

そこで、“えのすい”では2018年より「社内勉強会」と題して、普段の飼育から得られるデータをまとめて発表し、トリーター同士で質疑応答をするというプチ研究会を開催しています。
きっかけは私と、私の同期である魚類担当鈴木との何気ない会話から始まりました。

羽「研究したことを学会とか会議で発表するって、楽しいけどいきなり全国規模の場所で発表ってなるとハードル高いよね」
鈴「うんうん。普段いろんなデータを集めているからおもしろい研究になることはたくさんあるけど、全国で発表となると、これ発表してもいいのかな?ってちょっと躊躇するよね」
羽「だよね。でもそのままデータを眠らせるのはもったいないし、えのすいのなかで、研究発表の場所を作って、そこで発表の練習をするのはどう?」
鈴「いいじゃん! 若いトリーターにもどんどん経験してもらって、そこから学会とかの発表に繋げたり、“えのすい”のイベントとしてお客さまに伝えられるといいよね!」
羽「よし! じゃあやろう!! えのすい社内研究発表会!」
鈴「おう! 企画書書いて上司にプレゼンしよう!!」
※会話の内容は若干美化されています

そんなことがきっかけで、2018年度に第1回社内勉強会を開催し、一年に一回の定期開催の流れを作ることができました。
毎年4~6人のトリーターが自分で研究テーマを決め、発表要旨や当日のスライドの作成を行い、大先輩が添削者となり内容を添削をするという本格的なシステムまで作りました!
“えのすい”には水族館での研究を行う第一人者がいます。
そんな大先輩に添削してもらうこともまた勉強になるんです。

当日は発表後に質疑応答の時間も設け、発表者は本格的な研究発表会の雰囲気を味わえます。
発表もなんですが、この質疑応答がまた緊張するんですよね。
この勉強会での発表後、その内容を少し改善して学会での発表や、論文投稿に繋げてくれたトリーターもいます!

そして先月は第3回の社内勉強会(2020年度分)を開催しました。
最初の2年間は鈴木・羽田で会を運営していましたが、2020年度からは山本と伴野の2名のトリーターも運営メンバーに加入してさらにパワーアップ!!
ですが、今回はコロナ禍ということもあり、当日の参加者の人数を減らし、参加できなかったトリーターには映像を配信して、質疑応答はメールでやりとりをしてもらうという運営方法へ変更しました。
今回の発表者は海獣類担当の島森・田中トリーター、魚類担当から番長・黒川トリーターの計4名です。
今日はそのようすを写真でお伝えします!



発表しているようす



質疑応答

今回の発表内容もどれも素晴らしく、質疑応答も時間が足りないくらいでした。
第4回の開催に向けて、これからまた動き出したいと思っています。

研究って言葉にすると難しく感じるかもしれませんが、自分が興味のあることを調べるって実は小さい頃からあたりまえにやっていることなんですよね。
あれって何? どうなっているの? もっと知りたい!
こういった気持ちって小さいお子さんとかものすごい意欲ですよね!!
だから難しく考えることはないんです。
「楽しく学ぶ!」
それが研究の原点なんだと思います。

“えのすい”は楽しく学べる場所であり続けるため、これからも研究を続けていきます!!

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