2021年04月11日
トリーター:伊藤

ウグイと戯れ、謎に迫る

シラス卒業記念でリーダーからいただいたシラスのハンカチ(涙でぬれてしまいました)。シラス卒業記念でリーダーからいただいたシラスのハンカチ(涙でぬれてしまいました)。

最近のトリーター日誌は、トリーターの異動ネタが満載ですね。
実は私も異動しました。シラス展示創設メンバー最後の一人、シラスとともに歩んだ6年間でした。
さらば シラス!(これからもやんわり見てますけど)
まだまだお世話になるよ ワムシ!
頼みましたぞ 大内さん

私の新たな相棒を紹介していこうと思います。今回はウグイです。
さかなのもぐもぐプールです。
これから「がっつり担当」というわけです。
とはいえ、ウグイ自体はこれまでもちょこちょこ扱っており、水槽内で跳ばせたり、海水に馴らして展示を試みて失敗したり・・・ していました(2019/01/11 海ウグイの展示を目指して)。

さらに、研究対象としての付き合いは学生時代からなので、シラスよりも長いのです。


ウグイの顔

上で書いた通り、この魚どこからどう見ても川魚なのに、海で暮らすことができます。あまり食用として需要がないからか、同じく川と海を行き来するウナギやサケの仲間ほど、回遊経路や海での暮らしぶりが分かっていないようです。

ちょっと細かい話になりますが、ある小さな生物(ここでは仮に“ぐっさん”とします)が、ウグイの組織に埋もれるように寄生することに気づきました。
“ぐっさん”は塩水に弱く、海水どころか薄めた塩水でも生きられないのですが、魚の組織で守ってもらっている間は、海の中でも生きていられるのです。
ここからは妄想甚だしいのですが、“ぐっさん”がウグイをフェリーのごとく利用して、海を渡っているのではないかと思っているところです。

先日、知り合いの研究者から、うすい塩水の湖で捕れたウグイを送ってもらいました。魚体を解剖しながら丁寧に見ていくと“ぐっさん”が寄生しているではありませんか。
とはいえ、このウグイが濃い塩水のエリアを泳いできた証拠はありませんし、“ぐっさん”がどこでウグイに「乗り込んだのか」も不明ですので、妄想の裏付けにはもう少しかかりそうです。

余った研究用のウグイは、美味しくいただきました。しかし相変わらずの小骨の多さ・・・ しかも喉に刺さりやすいのです。
食べてみようって方は「よく噛めば骨ごと食べれるさ」なんて考えない方が良いです。私自身、これまでに 2度も痛い目を見ています。
面倒でも取り除いてから頬張りましょう。ウグイの名誉のために付け足すと、適切な調理を施せば、ごちそうとなります。青森で食べた「なれずし」は最高でした。

こんな感じで、お世話していたかと思ったら、その次には解剖したり食べたりと、多面的な付き合いです。
水族館ならではの試みとして、いつかまた海の生物との展示も、リベンジしてみたいところです。

さかなにごはん

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