2021年06月19日
トリーター:今井

ハワイアンブルー

先日14日に関東甲信地方が梅雨入りして、紫陽花のシーズン真っ只中となっています。
近く鎌倉の古刹でも、たくさんの品種が見ごろを迎えているようですが、当館のウェルカムラウンジでは海岸のイメージに合わせて「ハワイアンブルー」という品種のみをふんだんに飾っています。
実はこの紫陽花をメンテナンスしているのは、飼育担当のトリーターではありません。
企画チームのスタッフです。


特に今回担当のIさんは、御自身でも生き物が好きで、オカヤドカリを何回も脱皮させながら長期飼育に成功されているそうです。
ヤドカリ類は摂餌や脱皮時の密度、背負う外殻(がいかく)の準備とか、飼育管理のタイミングに気を遣う生き物です。
紫陽花に関しても、ラウンジ内は日陰の環境ですので、一鉢ひとはちの生気を感じ取るように触れながら、パワーが衰えていそうな鉢を抱えては、屋外のお日様の下で静養させているようです。
企画チームのスタッフは造花ではなく、本物の紫陽花を飾ってお客さまをお出迎えしたいという信念で、展示期間中(6月4日~7月4日)は朝に夕にと世話をされています!

ところで、紫陽花の傍らにいる金魚たちの観察も上見が中心となり、私はとにかく以下のことに注意しながら飼育しています。
・糞、泡切れ、臭い、透明度などで、お腹の調子を確かめながら給餌する。
・糞や老廃物は朝、夕に飼育水と一緒に吸出し、その分を給水する。
・有用な微生物がすみつける程度の最小限の濾材量にして、ゴミは溜めない。
・実感する暑さ寒さ風通しの良さ等を、金魚の行動に結びつけながら観察する。


全長 13cmを超えたピンポンパール

特にこの軟球みたいなピンポンパールは今の時期とても大食らいです。
しかし、その糞が餌の与え方によって如実に異なってくるので、とても参考になります。


因みに、そんなヤドカリ類を 6月のテーマ水槽では展示しています。
潮溜まりを上から覗いた時のように、小型のヤドカリ類がたくさん活発に動いていて、見ていてとても楽しい雰囲気なのですが、担当のトリーターは飢えた個体はいないか(弱い個体を引っ張り出して襲うかも?)、他の貝殻をあれこれ探しているか(そろそろ脱皮だな、最中に襲われないようにしないと!)、等々の行動をできるだけ見逃さないように注意しています。

6月の見どころをご紹介させて頂きました。

[水面に咲く蒼。「紫陽花と金魚の特別展示」]
[テーマ水槽「ヤドカリの衣替え」]

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