2022年03月04日
トリーター:小形

何事も楽しく。

「健康管理」と聞くと、みなさんはどんなことを思い浮かべますか?
動物たちの健康管理には、さまざまなものがあります。
きょうはペンギンたちの健康管理の一つとしてやっている「足裏チェック」をご紹介します!

まず初めに、ペンギンたちに多い病気の一つに「趾瘤(しりゅう)症」というものがあります。足の裏にタコのようなものができる病気で、ここから雑菌が入ってしまうと全身に回って命を落とすこともあるといわれています。運動不足などが原因で趾瘤症になってしまうことが多いので、私たちも注意してペンギンたちの飼育をおこなっています。

そんな趾瘤症のチェック方法ですが、今までは泳いでいる時にプールの外から足の裏を確認して、できものができていないかをチェックしていました。これは今もやっている方法ですが、もっと気楽に足の裏を見せてくれたらと思い、足の裏を見せてもらう練習を始めました。

練習に付き合ってくれたのは「ナイス」と「ソラ」です。私が飼育舎内の岩の上に足を伸ばして座っていると、好奇心旺盛なナイスとソラはいつも近寄って来てくれたので、その時に私の足の上に抱っこで乗せて、コミュニケーションを取りながら、ふれあいながら、少しずつ足の裏を見せてもらうように始めました。今では私が座っていると勝手に乗ってくるまでに!

ソラソラ

嫌がることもなく、落ち着いてくれています。
そんなナイスとソラのようすを見てか、今では「ウメ」と「レイ」も「やってやって!」と言わんばかりに足の上に乗ってきます。ペンギンたちみんなの足の裏をチェックできるようになるのは良いことなので、ウメとレイとも練習して足裏チェックができるようになりましたが、最近は誰かがやっていると邪魔したり順番待ちで喧嘩したり…
みんな我先にと私の足の上によじ登ってきます。

ちなみに、足の裏はこんな感じになっています。これはタコのようなものもできてなく、綺麗な足の写真です。

足の裏足の裏

逆にこういったものは少し気をつけなければいけません。

赤丸で囲った部分ですが、少し白っぽくなっているのが分かりますか? これはまだ完全な趾瘤症とまではいきませんが、これを放っておくと悪化してしまう可能性があります。こういった小さな足裏の変化をしっかり見逃さないようにすることで、大きな趾瘤症になってしまう前に事前に防ぐことができます。

足裏チェックはペンギンたちとの大事なコミュニケーションの時間でもあるので、一羽一羽と会話しながらおこなっています。何事も楽しくできたら良いですよね。

さまざまな健康管理をペンギンたちがストレス感じずにできるように、私たちも日々工夫して取り組んでいます。他の健康管理については、またご紹介いたします!

ペンギン・アザラシ

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