2023年02月23日
トリーター:渡部

隠れキャラを探そう! その1

こんにちは。
みなさんが水族館に来たとき、生き物の名前が書いてある解説板(魚名板)をみて、どんな生き物がいるか確かめると思います。しかし、「あれ? 今、水槽にいる生き物の魚名板が見当たらないな」なんていうことありませんか?

水槽内の全ての生き物の名前を書いてしまうと、情報が多くなるのでみなさんが水槽を見たときに生き物を探すのがとても大変になってしまいます。
そこで、水槽内でよく見かける生き物を魚名板で紹介しています。そのため、水槽内にいる生き物よりも魚名板の種類が少なくなっています。

とはいえ、本当は水槽内で暮らすさまざまな生き物たちを全部紹介したいのです!
そこで、このシリーズでは魚名板には書いていない「隠れキャラ」に注目していきます。
題して「隠れキャラを探そう!」。今回はその1ということで、最近驚いた隠れキャラの話をします。

魚類の担当に配属されて早いもので半年たちましたが、実は最近、朝の見回りをしているときに太平洋のハタハタの水槽に、ハタハタ以外の魚がいることに気がつきました。

太平洋のハタハタ水槽太平洋のハタハタ水槽

しかも大きい! ハタハタと同じくらいで、25cmほどの大きさでした。
「こんなに大きな魚なのに今までどうやって隠れていたのかな…まさか、ゆうれい?」と、思わず二度見してしまいました。
大慌てで先輩トリーターに「ハタハタの水槽に、見たことがない大きな魚がいます!」と伝えに行ったところ、「アメガジだよ! 珍しいね。あれ? でもこの水槽に来たときはもっと小さかったような…?」と教えてくれました。ひそかに、すくすくと成長していたようです。隠れキャラを極めていますね。

隠れキャラ アメガジ隠れキャラ アメガジ

立派なホヤがついている岩の隙間で休んでいることが多く、静かな夜間などにこっそり動き回っているようです。運が良ければ開館直後や閉館前など、比較的静かな時間に見ることができるかもしれませんので、ぜひ水槽の右下の角っこをじっくり観察してみてください。

ちなみに、この水槽にはもう一種類おすすめの隠れキャラがいます。
ワレカラです! エビやカニと同じ甲殻類の仲間で、自然界では海藻にくっついて生活しています。この水槽にも、何かにくっついて入ってきたと考えられます!
先日、北嶋トリーターが、このワレカラをダンゴウオのごはんにしていると紹介していました。[ ダンゴウオらのごはんを館内採集 ]
水槽の中で、自然に生き物が増えて、他の生き物のごはんになるなんてすごいなと思います。
ワレカラたちは、岩の上やホヤの上でゆらゆらしています。こちらはアメガジより簡単に見つけることができますので、ぜひ探してみてください。

ワレカラたちワレカラたち

いかがでしたか? このように水槽にはたくさんの隠れキャラたちが暮らしています。
ちょっとした岩の隙間や、砂の上などをじっくり見ているといろんな生き物が動いているのが見えてくると思います。
みなさんに隠れキャラの魅力を伝えられるよう、これから頑張って紹介しますので、どうぞお楽しみに!

太平洋

RSS