SHARKS“えのすい”のサメ展ではサメの生体だけでなく、標本も展示します!
展示する標本は顎の骨格標本と液浸標本です。
サメの標本でよく見られるのは何といっても顎の標本ですよね。
サメは泳ぐ顎と例えられることもありますが、あの有名なサメの映画JA〇Sも、日本語では顎を意味します。
このサメの顎の標本はお土産屋さんなどで販売していたりします。私も幼いころに買ったものが実家にあります。サメを身近に感じられるアイテムです。
これまでに何度かトリーター日誌でサメの顎の作成を紹介しましたが、今回に向けて追加で作成します。
小森トリーターが 2月のテーマ水槽で魚(硬骨魚類)の骨格標本をたくさん作っていて、じょうずな骨格標本の作り方を教えてくれました。
今回はそれを参考に、除光液につけて脱脂し、その後に入れ歯洗浄剤で肉を落とすことにしました。しかし、その前にまずは人力での除肉をします。
ひたすらハサミでちょきちょき切って、余分な肉を落としていきます。
ここが重要で、ここでいかに肉を取り除けるかで仕上がりのきれいさが変わります。
黒川トリーターが写真を撮ってくれましたが、私、にやにやしてますね・・・はたから見たら完全に危ない人です(笑)
地道にちまちまと顎の骨格標本を作製していきます。除肉が終わったら除光液で脱脂し、入れ歯洗浄剤で細かい肉を溶かします。それが終わったら、乾燥させて完成です。
今回は液浸標本も作製しました。大きさが 80㎝ほどあるサメの標本を作ります。このサイズの液浸標本作りは初めてでした。イワシやハゼなど小さい魚はそのままホルマリンに入れてもしっかり固定されますが、大きい魚はホルマリンがうまく浸透しないと、内部が腐ってしまいます。そのため、注射器を使って内部にホルマリンを注入していきます。
また、今回は展示用なので、形にも気を付けます。胸びれや背びれはしっかりと形が保てるのでよいのですが、尾びれは自重でぐたっとしてしまいます。そのため多孔板を加工して専用の台座を作成しました。これに括り付けて形を整えます。
後はホルマリンの中で倒れないように、体の下に台を置きました。ちょうどいいものが無かったので、ペットボトルを切って台にもしました。
尾びれは上から吊ってさらに調整します。あとはホルマリンに漬けて固定されるのを待つのみです。うまく完成できるかドキドキですが、きっとサメ展が始まったら展示されているはずです・・・
何のサメかは始まってからのお楽しみ!
ただ、私たちだけで作る標本では数が少ないため、2つの博物館のご協力のもと、たくさんの標本を展示する予定です。あんなサメやこんなサメの顎の標本が! さらには遥か昔に生息したあのサメの顎まで!
「 SHARKS “えのすい”のサメ展 」まであと 7日!
いよいよ 1週間に迫りました! 果たしてトリーター日誌を書いている暇があったのかどうか・・・
いよいよ追込みです!
バックナンバー
[2023年2月23日 SHARKS “えのすい”のサメ展への道 1]
[2023年2月27日 SHARKS “えのすい”のサメ展への道 2]
[2023年3月5日 SHARKS “えのすい”のサメ展への道 3]
[2023年3月7日 SHARKS “えのすい”のサメ展への道 4]