2023年06月19日
トリーター:藤田

ついてくるカイワリ

みなさんこんにちは。藤田です。
全国的に梅雨入りし、早い所ではそろそろ梅雨明けも近いですね。
“えのすい”では梅雨の時期に合わせ「海の紫陽花」を開催しています。
紫陽花の語源にちなんで“集まって生きる”生き物を特別魚名板で紹介しています。
また、館内のいつもは何もない場所に紫陽花が設置されていたりしますので、よかったら水槽の水面より少し上も見てみてくださいね。

さて、きょうは私の最近のお気に入り魚を紹介します。
それは相模湾大水槽で暮らすカイワリです。

マアジの群れに混ざるカイワリマアジの群れに混ざるカイワリ

カイワリはスズキ目アジ科カイワリ属に属するアジの仲間です。
写真中央、銀色の体色をした少し丸っこい魚がカイワリです。
そして黄色い尾鰭で流線形の魚はみなさんお馴染みのマアジです。
よく見るとカイワリにも、アジの仲間がもつ特徴の一つ、「ぜいご」と呼ばれる稜鱗(りょうりん)が尾びれの付根辺りにあります。
相模湾大水槽のカイワリはたいてい 2~4匹でマアジの群れに混じって泳いでいます。

3匹のカイワリ3匹のカイワリ

上の写真にはカイワリが 3匹映っていますね。
この 3匹のうち一番下の個体はまだ小さく、縞模様がかなり鮮明に見えています。
ちなみに縞模様は成長に伴いだんだんと不明瞭になっていきます。
この小さいカイワリが私の最近のお気に入りです。

実はカイワリは、小さい頃は他の魚にぴたっとついて泳ぐ習性があるんです。
自分より大きなカイワリと一緒に泳いでいることも多いのですが、マアジの群れに混じっていない時はたいてい他の魚の傍にいます。

きょうはどこにいるかなと閉館後に観察していたら、ちょうどフエダイにぴったりとついて泳いでいました。

ピタッとピタッとつきまといますつきまといます

その後フエダイがうっとうしいと感じたのか振り払われてしまい、いつものカイワリたちのところへ合流していました。
大きな魚の泳ぐスピードに合わせて一生懸命泳いでいたのに…残念でしたね。
私が魚だったなら、小さいカイワリがついてきたら何も気にせずついてくることを許容していたと思いますが、魚たちの間にも事情があるのかも知れません。

そんな小さいカイワリが、先日開館前に相模湾大水槽の潜水掃除をしていたとき私についてきていたんです!!!
肩のあたりの位置をキープしながらついてくる姿がすっごく可愛かったです。
私のことを大きい魚だと思ったのでしょうか。
もしそう思ってついてきていたのだとしたら、なんとも喜ばしいことです。
その後は掃除に集中していたらいつの間にかどこかへ行ってしまいました。
一生懸命泳ぐカイワリ、ずっと見ていても飽きません。
みなさんもぜひ、相模湾大水槽のカイワリに注目してみてくださいね。

相模湾ゾーン

RSS