みなさん こんにちは!
きょうは “えのすい” に展示はしてるけど名前の分からなかったクモヒトデのお話です。
そのクモヒトデとは、こちら↓
カニかご漁で採集されており、現在は深海Ⅱの水槽で展示しています。
真っ赤な体が目立つので、気になっていたのですが名前がわかりませんでした。
よし、ジュズヒモクモヒトデのとき と同じように、同定するぞ!と意気込み、前回参考にした資料を見ながら同定に挑みます。
早速写真撮影のため、謎クモヒトデを水槽から出そうとしたその瞬間!!!!
!!!!????
人差し指と親指で持ったクモヒトデの中心(盤)の部分、、、、、
めっっっっっっっっっちゃくちゃ柔らかいんですけど!!!!!!!
この矢印の部分、もうすっっっっごい柔らかい!!!!!
なんて例えたらいいんだろう。
激やわの生チョコレートとか、よーーーく泡立てたもちもちの泡とか、そのレベルの柔らかさです。
今まで触れてきたクモヒトデは、からだの部分はしっかりしていて硬めの印象だったので、てっきりこのクモヒトデもそうかと思ったら、、、。
驚きです。
気を取り直して顕微鏡で写真を撮り、クモヒトデを検索できる資料を見ながら同定に挑みますが、何度やっても正解に辿り着けません。
たくさんの種類のクモヒトデを見てきた人なら、いろいろなクモヒトデ同士を比べて「比較的〇〇が大きい」、「通常より〇〇が多い」など判断ができますが、私はまだまだ勉強不足で 実際に見たことのあるクモヒトデも数種類だけです。
その中で比べあって検索を進めても、間違った方向に進んでいても気づけず、正しい答えを出すのは困難。
前回のジュズヒモクモヒトデはたまたまうまくいっただけ。
う~ん、、、
展示水槽にこの謎クモヒトデは3匹いますが、3匹とも姿はそっくり。
ということはあまり個体差が無いタイプなのでは?と思い、今度はとにかくたくさんのクモヒトデの名前を検索して、見た目が似ている種類を探してみました。
いろいろな文献に出てくるクモヒトデの名前や学名を画像検索していきます。
ひたすら検索しまくっていると、ある名前に目が留まりました。
「キヌハダクモヒトデ」
キヌハダ、絹肌って、、まさにあいつじゃん、、、。
あの柔らかい体はまさに絹肌じゃん、、、。
画像検索してみると、似てました!
念のためクモヒトデの研究者の方に写真付きで見ていただいたのですが、やっぱりキヌハダクモヒトデでした!
「キヌハダクモヒトデ」! ピッタリの名前です。
この名前をつけた人もきっと、触ったときに私と同じリアクションをしたんだと思います。
この体はとても繊細で破けやすいみたいなので、写真撮影のとき以降、触らないようにしています。
キヌハダクモヒトデ、絶対忘れない名前です。
岩の上に登ってる、お気に入りの一枚です。
バックナンバー
[ 2023年06月21日 棘皮動物に夢中 ]
[ 2023年07月31日 棘皮動物に夢中2 深海クモヒトデの同定 ]
[ 2023年08月27日 棘皮動物に夢中3 バットスターとオオカミウオ ]