2023年10月07日
トリーター:今井

アオヤガラが元気に成長した理由

急に肌寒くなり、ワカサギ釣りに心を馳せている方も多いのではないでしょうか。
湖に浮かぶドーム船の中では、曇ったガラスの向こうの景色もそこそこに、穂先を見つめながら神経を釣りに集中させます。
持ち手にも伝わらないような、わずか数cmのワカサギがくわえた鈎(つりばり)からの微妙な振動をも穂先がしなって教えてくれるのです。
この柔らかく、かつ反発力のあるワカサギ竿の穂先を利用して餌付けた魚が「アオヤガラ」です。(関連日誌 [ 2019年03月15日 餌付け棒 ])

沿岸にすむ海水魚で、細長い体を真っ直ぐに向けることで、獲物に警戒されぬように近づき、強力なスポイトのような口で素早く吸い込んで食べてしまいます。

当館にやってきたときは 30cmほどの大きさで、口に入る程度の生きた小魚を餌に用意しなければ食べなかったのですが、ワカサギ釣り用の穂先を使った冷凍魚の切り身に餌付いてからは、その華奢な姿形から想像できないほどの量を食べるようになったのです。

動画(当時のやり方で給餌してもらいました!)


当時は、小魚がツイッ、ツイッと泳いでいるように、餌付け棒を指でたたいたりして誘ってみました。
餌と一緒に穂先の部分が小さな口に吸い込まれても、しなって餌だけ抜けるのでとても重宝しています。
今では4個体が倍以上の大きさに成長していますが、水底に落ちて水流にも揺れなくなってしまった餌は食べませんので、手返しよく使えるこの穂先はまだ必要なのです。

相模湾ゾーン

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