今年の干支「辰(たつ)」にちなんだ魚のご紹介です!
「レッドドラゴン」はグッピーの改良品種の一つで、極彩色の模様が爬虫類のうろこを、発達したひれがドラゴンの翼を表現しているようにも見えます。深海Ⅰの「光合成生態系」水槽にて、1月15日まで展示予定です。
本種は、南米北部原産の淡水魚ですが、派手な模様と飼育が容易なことから観賞魚として広く親しまれており、日本では温泉排水の場所などで野生化したものも見られます。繁殖力の旺盛な卵胎生魚で、環境さえ良ければ仔魚を産みながら爆発的に増えるので「ミリオンフィッシュ」の別名があります。
古くから世界中に愛好家がおり、現在でも品種改良が盛んに行われています。
今回の展示個体は、国産グッピー専門店である「伊豆グッピーファーム」さんからご協力をいただきました。
個人的にお取引した際、パッキング作業がとにかく丁寧で、コンパクトながら長時間経っても輸送魚のビニール袋がパンパンに張っていた(普通はしぼんでくる)ので、私は感動して直接たずねてしまったのがご縁となりました。「伊豆グッピーファーム」さんからは、ひれの条(ひれを支える柔らかな骨)や色彩、うろこ並びまで分かる掲載写真と、同じレベルの個体が送られて来ます。そんな手抜きのない仕事ぶりには、私も身が締まる思いがしました!
また、ブリード設備は収容魚の飼育と日常のメンテナンスを考えシンプルにまとめられ、特に水槽後方に寄せた混合砂利なんかが・・・、これまでさまざまな工夫と経験を積まれたことを感じさせます。
さて、深海Ⅰでは多くの生物にとっては有毒である硫化水素や、メタンなどを利用する細菌と共生している「化学合成生物」の「サガミハオリムシ」や「ゴエモンコシオリエビ」などのすむ「化学合成生態系」をご紹介しています。
難しそうな解説もあるかと思いますが、まずは水草の繁茂した「光合成生態系」水槽にて、お日さまの下できらめくような魚体の「レッドドラゴングッピー」をご堪能ください!