2024年11月04日
トリーター:松田

検査じゃないはなし

みなさんこんにちは! 新人獣医の松田です。

実は今回のトリーター日誌、書く内容についてすごく悩んでいました。なぜなら、前回まででえのすいで定期的に行っているイルカの検査についてはだいたい紹介し終わってしまったからです。
さて、何について話そう…、と悩んだのですが、今回はもうシンプルに、私の好きな生き物のお話をしようと思います。

その生き物は!
ウミガメです!!!

今までさんざんイルカの話をしてきたのにごめんなさい。ですが一番好きな生き物を選べといわれてしまったら、私はウミガメと答えます。もちろんイルカも大好きですよ! 鰭脚類もペンギンも魚も!
小さいころから生き物全般が大好きだったのですが、恐竜も同じくらい好きだったのが影響してか、古代から大きく変わっていないといわれるそのフォルムに特に惹かれているのだと思います。

そのウミガメのフォルムですが、特徴的なその甲羅からも連想されるようにとても重厚感がありますよね。ですが一度泳ぎだせば、その重さを感じさせないような美しい泳ぎ方をしてくれます。そのギャップも魅力。そしてぜひ見てほしいのが息継ぎです。水面に顔を出して、「こふっ」という音とともに口を開けている姿は何ともかわいらしいです。しばらく粘って観察しないと出会えない姿かもしれませんが、待つ価値はあるはず。

えのすいには現在3種類のウミガメがいますが、種類によって顔が全く違っています。見慣れてくれば、顔だけでどの種類かがわかるようになるはずです。

こちらがアオウミガメ。ウミガメといったらこの種類を想像するのではないでしょうか。なんとも端正な美しい顔立ちをしています。

こちらはアカウミガメ。自然界では貝などを噛み砕いて食べるため、顎が大きく発達しています。口を大きく開けた顔はまるで怪獣のよう。



そしてこちらがタイマイ、私が特に好きな種類です。尖ったクチバシがとってもカッコいいのですが、これは岩やサンゴ礁の隙間にいるエサ生物を捉えやすくするためだそうです。

自然界には、えのすいでは見られない種類のウミガメもいます。そのひとつが「オサガメ」で、こちらは現在、世界中のどこの水族館でも飼育されていません。外洋性が強くいまだに謎が多い、世界最大級のこのウミガメが大海原を泳いでいる姿を見ることが、私の小さな野望です。

今までの獣医っぽい内容から一転したトリーター日誌になりましたが、もとはといえば生き物が好きで選んだこの仕事。日々たくさんの生き物に囲まれながら過ごせるのはとても楽しく思っています。そんな生き物たちの水族館での暮らしを少しでもより良いものにできるよう、まだまだ精進していきます。

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