2024年11月03日
トリーター:渡部

きょうはWorld jellyfish day!

みなさん、こんにちは。
きょう、11月3日(日)は世界クラゲの日 World jellyfish day です!
いつもすっかり忘れてしまうのですが、今年はちゃんと覚えていました(笑)

謎多きクラゲへの関心を高める日として、世界の記念日に登録されているそうです。
ちなみに、毎月9日は「えのすいクラゲの日」ですよ! どちらも手帳にメモしてくださいね。

さあそんな、すてきな日にみなさんにご紹介したいクラゲが、ミノクラゲです。
たびたび、フィールド活動先日の日誌でマレーシアでのクラゲ調査について書いてきましたが、ミノクラゲは私にとって特別なクラゲになりました。私がこれまで野外で見たクラゲの中で最も大きく、そしてもふもふでした。

水の中にいるミノクラゲ水の中にいるミノクラゲ

今回は、2個体のミノクラゲを展示しています。口腕がピンクっぽい個体と全体的に白っぽい個体がいます。調査チームの中で、彼らに「Pinky(ピンキー)」と「Husband(ハズバンド:夫)」というニックネームをつけました。調査の途中、2個体を一緒の水槽に入れていたところ、プラヌラ幼生を採取できたことから名付けられました。成熟個体をペアで採集できるなんて、まさに奇跡です。雌雄の判別が難しいので断定はできず、Pinky がHusband(オス)の可能性もありますので、これから調べていきます。

Husband(左)&Pinky(右)Husband(左)&Pinky(右)

東南アジアには、私たちが口にする食用クラゲが多く生息しています。実はどんな種類のクラゲが流通しているのか、正確には分かっていません。そこで、国内の複数の大学や研究機関がチームを組んで、何年もかけて東南アジアのさまざまな地域を巡り、食用クラゲがどこからやってくるのか、どんな種類のクラゲなのか、さらにはどんな一生を送っているのかを探っているのです。私たちは、その調査に同行させていただき、飼育やアウトリーチ面での研究の一端を担っています。プラヌラの採取はその第一歩で、ここからポリプを得て増やしていきます。当館では過去に、タイ産のミノクラゲのポリプから遊離したクラゲを育て、展示をしたことがあります。今回マレーシア産のプラヌラがポリプへと成長したので、タイ産のポリプと違いがないか今後比較していきたいです。

PinkyとHusbandをクラゲファンタジーホールで展示しはじめて10日ほど経ち、少し傘が大きくなりました。Husbandはなんだかピンクがかってきたような気がします…
餌由来なのか、個体差なのか、体の色の変化にも注目です!

バックヤードでは、彼らが暮らしていたマレーシアの環境を思い出しながら、給餌方法や塩分調整などを工夫しています。ゆったりと、力強く拍動するようすはとても美しく、作業をしているとき、つい見入ってしまいます。

バックヤードよりバックヤードより

みなさんに、ミノクラゲの魅力を伝え、そして、飼育研究の過程をお見せできるよう、長期飼育に挑戦していきます。

さて、「えのすいのくらげ展」もあと少しです。この機会にぜひえのすいにお越しください!
最後になりましたが、みなさんにとって、すてきなクラゲデーになりますように。

クラゲファンタジーホール

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