水族館の生物は購入や交換などいくつかの方法でやってきます。今回は自分で生物を水族館へ搬入したので、そのようすの一部をご紹介します!
狙いは水深200m以深にいる深海の生物、網を片手に海へ行くだけでは出会えないので、漁師さんの船に同乗して採集をさせてもらいました。
出港時間は 5時30分! 寝起きで頭がぼや~っとしながらも 3時ごろから準備を始め、水族館を出発しました。
乗船してしまえばもう眠気はありません。揺れと船酔いに耐えるだけです。幸いにも船酔いにはある程度の耐性があるようで酔いませんでしたが、この日は風が強く、立っていられない揺れが起きることもありました。そんな中、淡々と作業を続ける漁師さんがかっこよく、朝日と海をバックにテキパキ作業をする姿を思わず撮影してしまいました。撮影時も多少揺れていたので私の指も写り込んでしまっています。
この漁師さんはカニやエビ(甲殻類)などを漁獲しているのですが、漁具に引っ掛かってきた小さな甲殻類や貝を水族館用に分けていただきました。もちろん水族館へ搬入する生物は生きた状態がベストなので、生物にとって良い環境をつくった容器の中へすぐに移動して採集時のダメージをケアしつつ、陸に着くまでお世話します。
ようやく陸に到着! と思っても油断はまだ許されません、乗船を終えても搬入するまでが乗船採集だと思うことが大切。水族館へ到着する 1~ 2時間の間なるべく水温を一定に保って素早くかつ慎重に輸送をします。
今回は丁寧に輸送できていて、全ての生物を良い状態で搬入することができました。これにて乗船採集は終了です。この時点で14時。なかなかハードな一日でした。
このようにして水族館にやってきた小さな命たちはしっかりと責任をもって管理し、みなさんに元気な深海生物を見てもらえるように日々取り組んでいきます。