2024年11月24日
トリーター:櫻木

本日の見まわり

前回のゴマフアザラシの朝のようすに引き続き、きょうはバンドウイルカのようす。メインプールを見まわった際の話です。

朝のイルカたちは人の気配がないとプール底でこてんと寝っ転がって休んでいたり、水面で緩い水流に流されていたりとリラックスしています。そんな朝にようすを見にいくと、人の姿を見つけたイルカが興味を持ってよって来てくれます。きょうは「ルイ」が一番に来てくれました。プールサイドに立っている私を見つけ、舌をべろべろしながら目の前に。「ルイ」が舌をべろべろしているときはたいていご機嫌です。
念のため、何かをくわえていないか口内をチェックし、しばらく見ていると今度は体を触ってくれと言わんばかりにステージに上がってきました。体表の状態は垢が多め、夜間はあまり活発に泳いでいなかったため、垢がとれていなかったのでしょう。撫でると私の手には消しごむかすのような「ルイ」の垢がたくさんつきました。顔を見ると気持ちよさそうで満足しているように見えます。その「ルイ」がステージから滑り落ちると、何してるのと興味を持った「ミレニー」、「リン」も同じようにステージに上がってきました。垢すり屋さん開業です。これが始まると入れ替わるようにイルカがやってくるので休めません。うれしい忙しさではありますが、少し大変です。

見つけて見つけてべろべろしてべろべろして届かないから届かないから上がってきます上がってきます

こうやって近づいてきてくれることは単純にうれしいです! そして、とても大切なコミュニケーションの一つでもあります。それは普段から動物たちのリアクションをしっかり知っておくことで、異変にもすぐに気がつくことができるということ。いつも近づいてくるはずのイルカが来なければ、機嫌が悪いのか、はたまた体調が悪いのか、と察することができます。怪しいなと思ったらすぐに体温を測るなどの初動も早くすることができます。動物たちの性格を理解し、普段からどのようなことをしているかを把握して覚えておくこと。朝一は特にリアクションが多いので知るチャンスもたくさんあります。

相手が会話でコミュニケーションが取れない動物だからこそ、普段のちょっとした見た目、行動の変化から体調などを読み取る観察力もトリーターの大切なスキルの一つです。
きょうはご機嫌な動物たちでよかったです。

イルカショースタジアム

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