愛玩動物看護師の矢作です。
先月、沖縄県で開催された第 30回 日本野生動物医学会大会に参加し、日頃の取り組みについて、シンポジウム(野生動物に関わるチーム獣医療体制の新たな潮流~動物看護師の役割~)で発表してきました。
この学会には、日本各地の水族館・動物園の獣医師や、獣医・動物看護に関わる大学や専門学校の教員、学生などが参加しています。
トリーター日誌でも随時お話ししてきましたが、現在当館では、獣医師だけではなく、愛玩動物看護師、メディカルトレーナーが協力し、チーム医療で日々生き物たちの命と向き合っています。
2022年、愛玩動物看護師法により愛玩動物看護師が国家資格となり、今後、愛玩動物看護師があらゆる獣医療現場において、チーム獣医療を支える大きな役割を担うことが期待されています。
獣医療診療施設の中には、一般的な犬や猫の動物病院だけでなく、野生動物の保全のために野生傷病鳥獣を受け入れている施設や、野生動物を飼育・展示している水族館や動物園なども多くあります。
今回、そのような施設で活躍する愛玩動物看護師6名が登壇し、それぞれの施設での取り組みや、今後専門職化が進むとされる愛玩動物看護師の必要性について議論しました。
各施設の愛玩動物看護師の発表後には、それぞれの現場で共に働く獣医師も交えてパネルディスカッションが行われ、当館からも白形獣医師が参加しました。
愛玩動物看護師と働く獣医師の実際の声や、愛玩動物看護師導入までの経緯、また、野生動物の保全や、飼育・展示を行う業界に向けた今後の課題などの意見を交わしました。
野生動物の獣医療に関わる他施設の愛玩動物看護師の方々と一緒にシンポジウムを開催できたことは、今までに機会が無かったためとても大きな収穫でした。それぞれの現場のバックグラウンドがある中、どのように今の体制を構築してきたか、現状の課題は何か、業界全体の今後の展望など、ホットで、ディープな意見交換ができました。
今回の学会参加では、シンポジウム開催前から、多くの参加者からさまざまなお声かけをいただき、日本各地の水族館・動物園、および大学や専門学校などの教育現場でも注目度が高いことを実感しました。
日本にはたくさんの水族館や動物園があり、そこには多くの動物たちがいます。獣医師と共に、野生動物の命と向き合う愛玩動物看護師の仲間が増えていったらうれしいです。