2025年01月31日
トリーター:村井

ダンゴイカの仲間

みなさんこんにちは。
新人トリーターの村井です。
前回のトリーター日誌で底曳網船に乗船したお話をしました。
その最後にもちょっと書いたのですが、今回はその時とれたダンゴイカ科の一種の紹介をしようと思います!
このダンゴイカ科の一種は 1月26日から展示しています!
*短期間の展示となる可能性があります。ご了承ください。

見てくださいこのかわいらしいイカを!!!
メンダコに勝るとも劣らぬかわいさだと私は思っています!!!

搬入したばかりの時の写真搬入したばかりの時の写真展示での写真展示での写真

移動中にさっと動画も撮ってみました。

移動中

展示中は動くことがあまりないと思うので動いている時のようすをお届けします。
まずは給餌のようすです!
餌はこのダンゴイカ科の一種が採集されたときに一緒に捕れたエビを冷凍して取っておいたものです。与える時は解凍して殻をむいて与えています。殻はむかずに与えても自分でむくことができますが、イカの仲間は大概食べない殻や骨をボロボロに砕いて周りに吐き出してしまいます。また、食べる時も、一口ずつかみちぎったものを、歯舌と呼ばれるやすりのようなものを使ってすり潰して食べるため腕の間からポロポロと食べかすをこぼします。小さな水槽内で食べたカスなどが溜まってしまうと水質悪化につながるためあらかじめ殻をむいたものを与えています。
イカの仲間は腕に味を感じる器官が付いているので、餌を腕につけてあげると餌を認識して食べ始めます。

26日給餌

こちらが26日の閉館後に餌を与えた時のようすです。
細い棒の先端に小指の先ぐらいの大きさのエビの切り身が刺してあります。餌のエビが腕に付くと餌だと認識して覆いかぶさってきます。(動画の最初)その後、腕の付け根にある口でむしゃむしゃと食べて、最後はいらないところはフッと吹き飛ばします。(動画の最後)
この大きさだと大体 4分で食べられるようです。エビ 1匹食べるのに10分ぐらいかかりそうですね。

バックヤードで飼育中に水槽の上から動画を撮ってみました。イカの口のようすを見ることができます!

給餌

眼と眼の間、腕の付け根辺りに黒いものが出たり引っ込んだりしているのが見えるでしょうか?
これがイカの口です! イカの口は鳥のくちばしのようになっていて、鋭いくちばしで獲物の肉をかみちぎっで食べています。(「からすとんび」と呼ばれていますが、鷲に似ていると思います。)
体が透き通っているので口の動きまで観察できちゃいました!


最後に、飼育をしながらとても気になる発見をしましたので紹介します。

この3枚の画像を比べてみてください。
1枚目は白い光、2枚目は青い光、3枚目が赤い光を当てた時のようすです。

白い光を当てた時白い光を当てた時青い光を当てた時青い光を当てた時赤い光を当てた時赤い光を当てた時

注目してほしいのは目の開き具合です。

白い光と青い光の時は半分ぐらいしか目が開いていませんが、赤い光の時は目が真ん丸! 全開になっています!
つまり、赤い光は見えていない可能性が高いです!! 赤い色の光の波長は最初に吸収されてしまうため深海には届きません。深海にすむ生き物が赤い光を感知できないことがあるというのを実際に観察できました!!
ただ、えのすいでの深海生物の飼育の記録では、メンダコは赤い光にも反応がある様ですし、深海性のクシクラゲの仲間の中には赤い光を放つものをいるそうで、まだ確かめられていないことがいっぱいです。
展示・飼育用の照明については、えのすいでも生き物のようすを見ながら青い照明にしたり、赤い照明にしたり、深海生物たちが少しでも長生きできるような環境を作るために試行錯誤しています。

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