みなさん、こんにちは!
4月でトリーターになり丸5年が経つ長野です!
いよいよ春本番!
気温も暖かくなり、花粉が飛び回ってティッシュが手放せなくなりました。
花粉症には辛い日々ですが、花粉に負けないよう頑張っていきましょう!!
さぁ、えのすい20周年は「SPECIAL THANKS、心からの感謝」ということで直近のトリーター日誌ではトリーターが動物たちに感謝を伝えています。
僕もトリーターになり5年。
これまでの5年を振り返ってみて感謝を伝えたいと思う相手を思い浮かべた時に頭に浮かんだのは先輩トリーターです。
ということで、ショータイム!
「先輩方、ありがとうございます」
日頃からアホ全開でイルカショースタジアムを駆け回っている長野ですが、この5年間ずっと楽しかったわけではなく正直やめようと思ったこともあります。
これまでにたくさんの先輩方に支えていただきました。
新人の時に動物との接し方を丁寧に教えてくださったり(怒られた方が多いかも? 笑)、チームに溶け込めるように一発ギャグを強要してくる先輩もいました(察しの良い方は誰か気づくかもしれません 笑)。
一番感謝を伝えたいのは羽田トリーターと遠山トリーターです。
数年前、メンタルがかなり落ち込んでいた時に支えてもらい、全力で背中を押してもらいました。一緒に泣きながら話を聞いていただいた日々は忘れません。
今、楽しく動物たちと過ごせているのもあの時支えてくださったお二人がいたからだと思っています。
なのですが、えーーっと最近、伸び伸びやりすぎて迷惑をかけていると実感しております。すみません(笑)。
本当は3人の写真を撮りたかったのですが、事務所NGが出たためとれませんでした(本当はこの内容がネタバレしちゃうのでとりませんでした 笑)。
もちろん、動物たちへの感謝も忘れていません。
実は落ち込んでいた私のメンタルを支えてくれた動物がいます。
それはゴマフアザラシの「ココ」です。
もともと担当には入っていたものの、先輩トリーターがいないときにご飯をあげるくらいでした。
そんなメンタル落ち込み男が「ココ」の主担当になる機会が訪れました。主担当になってすぐに「オガ」と交尾、そして妊娠確定。
トントン拍子にことが進んでいきました(笑)。
みなさんもご存知の通り、後に「ココア」が生まれてきます。
新江ノ島水族館となって初。旧・江の島水族館からは 32年振り。
妊娠した!ととても喜んでいたのも束の間、大きな不安に包まれました(あー、やばい。アザラシってそもそもどうやって生まれてくるの!?)。ここから「ココ」と私の出産までの長い準備が始まりました。
とにかく右も左もわからないので、まずはやるべきことを整理しました。
1,「ココ」の健康管理
2,情報収集
3,安全に出産できる環境を作る
1,健康管理
お腹の赤ちゃんが健康に育っているか確認するための超音波検査を安定して行えるようにと普段は陸上でやるのを水中でできるようにしました。
定期的な採血も負担がかからないように負担の少ない場所から採血できるようにしたり、体重測定の板も大きくし、スムーズに上がってこられるようにとあれやこれやと試行錯誤しながらも「ココ」が全力で応えてくれました。
2,情報収集
当館では初めてということでなにも情報がない状況でした。
そこで繁殖歴のある水族館に赴き、たくさんの情報を頂きました。
その時に事細かに教えていただいたお陰で無事に出産を迎えられたと言っても過言ではありません。ありがとうございました。
3,安全に出産できる環境を作る
生まれた子獣がプールから陸場に上がれるようにスロープを設置して、夜間も母子の行動が確認できるように監視カメラをつけました。
準備に没頭していたら、落ち込んでいたメンタルもどこかに行ってしまい、のめり込んでいました(笑)。なにか一つ全力でやることは人を成長させてくれるのかもしれません。
というわけで、2024年 4月19日「ココア」が誕生しました(急な展開ですみません 笑)。
出産前になると食欲が落ちて陸上で休む時間が増えると聞いていたものの、当日の「ココ」は魚を食べる!食べる!
お昼ごろから少しずつ陸場に上がるようになって、もしかしたらきょう産まれるかも!? という緊張感の中で閉館を迎えました。きょうではなかったか、と思っていた矢先!
18時頃に扉の前で「ココ」のうしろで白いの動いてない? と、半信半疑でよーーく見たら「ココア」が誕生していました 笑。まさかの展開でした。。。
誕生して、1つ目の心配事は「ココア」が「ココ」の母乳を飲むこと!
乳首付近を吸う行動はあるものの、なかなか目視で母乳を飲む姿を見ることができず。。
しかし! 体重が増えているのを確認し安堵しました!
そこからは「ココ」の母乳を飲みながら成長し、誕生時 7.52kgあったのが 20日間で28.08kgと約4倍になりました。すごい成長スピード。。。
そして、白い毛からゴマ模様に抜け変わり、気付けば「ココ」の母乳を卒業しました。
ここから2つ目の心配事。魚を食べること!
今まで母乳だけで育ってきた「ココア」に死んだ魚を食べさせるのは簡単なことではありません。普通は1~2週間はかかるもので、簡単では… えーっと簡単でしたー笑。
まさかの取り組み2日目に魚を食べるのを確認し、全員驚きました!
「ココア」には驚かされることばかりです 笑。
あまり手間のかからない幼少期を過ごし来月で誕生して1年が経とうとしています。
右も左もわからない状態で始まった妊娠・出産・子獣の対応。
結果、大成功を収めることができました。
それも「ココ」が嫌がることなく、健康管理に協力してくれたこと。
「ココア」が手間かからず何に対しても意欲高く応えてくれたこと。
私のやってきたことが間違っていなかったと「ココ」と「ココア」が証明してくれました。
飼育員としてレベルアップできたと思います。
「ココ」!
「ココア」!
ありがとう!!!
そして、たくさんの方々に協力していただき無事に出産が成功したと思っています。
ありがとうございました!
みなさん! これからも「ココ」と「ココア」(そして長野)のことをよろしくお願いいたします!
最後にきょうとれた「ココア」のめちゃくちゃかわいい写真でお別れします!
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
では、えのすいでお待ちしています!