2025年04月15日
トリーター:崎山

えのすい20周年 ~生き物たちへの感謝~
みなさまに感謝

これまでトリーターたちがいろいろな生き物に対する感謝の気持ちを書きつづってきました。その企画もきょうで最後となります。

私はこれまでこの江の島の地で水族館をつないでくれてきたすべてのみなさま(生き物、お客さま、ステークホルダー、スタッフ)に深く感謝申しあげます。水族館をつくり、生き物がいて、攻めたり守ったりするスタッフがいて、支えてくれるステークホルダーがいて、それを見に来てくれるお客さまがいる―そうして初めて水族館が成立します。どれ一つが欠けても新江ノ島水族館は継続できていません。本当にありがとうございます。

そのベースとなっているのが「スタッフ(=人)」です。最近はスタッフの重要性を改めて感じています。スタッフがいないと何もできません。特に水族館は特殊なところがありますから、優れた技術、知識、経験を持つスタッフが欠かせません。旧館から数えると70年もの間、その時その時のスタッフが攻めて守ってつないできたわけです。育成なんて偉そうなことは言えませんが、私は旧館~新館をつなぐ立場にありますので、スタッフと親睦と共有をはかりつつ、いっしょにいろいろな出来事に立ち向かい、未来に進んでいきたいと思っています。

最後に、時代を築き亡くなった、今も当館に大きな影響を与えている二人の大先輩を紹介します。

雨宮 育作氏(1889-1984)
江の島水族館 初代館長。東京大学名誉教授ほか。
「水族館は、楽しく、ためになって、夢が持てる場であること。そして、そのバックヤードには真摯な生物研究がなければならない。」
―雨宮氏の言葉です。私は直接ご指導を受けたことはないのですが、館長職を拝命して水族館のベースを探っていったところ、この言葉にいきつきました。

堀 由紀子氏(1940-2023)
第三代館長、社長も兼務され、新江ノ島水族館にリニューアルする際の最大にして唯一無二の存在です。
上記の雨宮氏の言葉をベースに、「時代やお客さまの要望に応じて、柔軟に展示内容・方法を変えていく姿勢を持つ。パイオニア精神を忘れない。」として社業を貫きました。そしていつも「明るく、元気に、朗らかに、そして勇ましく。」とスタッフを鼓舞していました。

これからもお二人の言葉を胸に「居心地の良い空間」で、相模湾で脈々と受け継がれてきた多様な命を紹介していきます。当館の活動を通して微力ながらも、世のため人のため世界平和のために貢献していきたい、そう願っています。

相模湾大水槽相模湾大水槽

RSS