2025年06月21日
トリーター:吉田

小さなイカの話

現在、相模湾ゾーン 相模の海の水槽群 海岸水槽の「アマモ場」ではヒメイカを展示しています。
ヒメイカは全長 2~3センチほどにしかならない世界最小のイカの仲間です。 外套膜(がいとうまく)から粘液物質を出し、アマモや海藻などに付着して生活する少し変わった生態の持ち主です。

5月におこなったアマモ採集 の際に、ヒメイカ 2匹を搬入し、数日間バックヤードで状態を見ながら飼育していました。 ヒメイカの寿命は 2~3か月と短いためできるだけ早く展示に出したい! と思っていたところ、なんと搬入から 4日後にはバックヤードの水槽で産卵を確認。 うれしい反面、産卵が始まると数日の命かもしれないと聞き大慌てです。
小さなヒメイカを見ていただくにはどうしたらいいのか、アマモに付着する生態をうまく展示できるのか、あれこれ心配はありましたが、無事にアマモ場の水槽の中に小さなケースを設置し、その中でヒメイカの展示を始めました。

ミニアマモ水槽の完成です。ミニアマモ水槽の完成です。アマモにくっつくようすも見られ、一安心。アマモにくっつくようすも見られ、一安心。

水族館で飼育している生き物の多くは私たちよりも寿命が短く、飼育している間にお別れを迎えてしまいます。 今回、アマモ場に生息するヒメイカのようすを見ていただきたいと思い、どれだけの期間展示できるかわからないながらに準備を進めました。 時には展示できないまま搬入した生き物が死んでしまうこともありますが、限りある命を最大限にいかすことにこれからも力を尽くしていきたいと思います。
ぜひ、この機会にアマモ場のヒメイカに会いに来てくださいね。

相模湾ゾーン

RSS