2025年07月17日
トリーター:霜鳥

初めての水中ドローン調査!

少し前の話になりますが、6月末に初めての乗船調査をおこないました!
江の島沖での、水中ドローンを使った調査です。
水中ドローンは「潜水艇を使うほどではないけれど、人が潜るにはちょっと深い場所」の調査にうってつけ。
船の上から遠隔で操作し、どんな環境が広がっているのか、どんな生き物がいるのか、ドローンの映像やデータをもとに調べることができます。
“えのすい” では近年盛んに水中ドローン調査をおこなっているので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
今回は自分の備忘録もかねて書かせていただきます、しばしお付き合いください。

当日は朝8時ごろに水族館近くの港から出航したのですが、気温が高く、太陽がまぶしい!
船の上は海風で涼しくなるかな~と楽観視していましたが、まったくそんなことなかったです・・・。

水中ドローンを海中に入れ、いざ調査開始!

今回は水深 120~150mくらいのポイントを狙い、水中ドローンを沈めていきます。
そして、ドローンが撮影する映像をリアルタイムで船上で確認しつつ、水中を進ませていきます。
最初は明るかった視界も深くなると同時にだんだん暗くなり、水深 50mあたりからはマリンスノー(プランクトンの死骸や排泄物などが集まって雪のように見えるもの)が画面いっぱいに現れるようになりました。

海底に到達したら、辺りを探索します。

ユメカサゴやオキトラギス、アズマハナダイなど、当館の水槽でもおなじみの魚は多く見ることができました。

ユメカサゴユメカサゴ

他にも迫力のあるフトツノザメや、冠部(花のような部分)を大きく広げたトリノアシの姿に、コトクラゲなど。

トリノアシトリノアシコトクラゲコトクラゲ

水中ドローンにはグリッパー(ものを挟めるパーツ)がついているので、それを使って生き物の採集にも挑戦したのですが・・・!!
残念ながら今回は調査海域の潮流が速く、思うようにはいきませんでした。

実際の展示に結びつけられるような採集成果は少なかったですが、初めて調査に参加し、江の島沖の海底のようす、そこにくらす生き物たちの姿を自分の目で確かめることができたのは非常に良い経験となりました。
実は船上では船の揺れと水中ドローンの映像の揺れに体が追い付かず、画面を見ないようにしていたので、今改めて映像をチェックして復習しています。笑
調査をきっかけに、深海への興味と理解が少しずつ深められている気がします!

また、今回の調査は中継イベントも兼ねており、船上のようすとドローンの映像を、参加いただいたお客さまともリアルタイムで共有させていただきました。
特にコトクラゲの映像が映った瞬間などは、そちらの会場も盛り上がっていたようで何よりでした!

最後におまけ。
潜航を終えて浮上してきたドローンを回収したら、クラゲの触手らしきものがついていました。
現場では、何か途中で引っかかったのかな~と話していましたが、あとで映像を確認してみたら、一瞬ですがちゃんとその姿が映っていましたよ。
浮上時に表層で出会ったようでした。

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