浦﨑です!
7月 4日から えのすい特別企画展「イルカとクジラ Coool Dolphin」が開幕しました!
館内各所、イルカとクジラまみれの展示に変わっています。
トリーターたちがこだわりにこだわった内容になっていますので、ぜひ遊びに来てください!
今回は「クラゲファンタジーホール」にて期間限定で上演中の「見てみよう フィールド調査で見たイルカたち」の水中映像について、ちょっとした裏話をお届けします。
まず、今回上映している映像は、実際に御蔵島で撮影してきました。
360度カメラで撮影し、クラゲファンタジーホールの天井や壁一面に映し出すことで、まるで海の中に潜ってイルカたちと一緒に泳いでいるような体験ができるようになっています。
【エピソード1 映像の反対側】
360度カメラは名前の通り全方向を撮影できます。
クラゲファンタジーホールに映しているのは主に球型水槽の上半分。
天井や壁が海の世界になります。
でも、実は下半分もちゃんと撮影はされていて、そこには・・・
海底の岩と岩の間に張り付いて、腕を突き上げ息を止めながら微動だにせず撮影しているトリーターがいます。
本当は、いつものようにイルカたちと並んで泳ぎたいし、くるくる回って遊びたい。
でも今回は、みなさんが酔わない安定した映像を届けるために、じっと我慢しました。笑
そんな不自然な人間が気になったのか、イルカたちも次々にのぞき込みに来ていました。
映像をご覧になる際は、ぜひ天井も注目してみてください。 不思議そうに見に来るイルカたちの姿が映っています。
【エピソード2 イルカとクラゲ】
普段、えのすいではイルカとクラゲを一緒に展示はしていませんが、撮影時、イルカたちの映像を撮って水面に浮上しようとした私の真上にオキクラゲを発見。
気づいたときには時すでに遅し。
手の甲でバウンドし、そのまま足首に絡みつくクラゲ。
御蔵島での撮影はスキンダイビング(素潜り)でおこなっています。
そのため、自分の一息がどれだけ続くかがすべて。 体力と集中力の勝負です。
ぎりぎりまで息を止めていたので早く呼吸がしたい!! と浮上中の浦崎はクラゲを避けきれず・・・
とっさにクラゲを払おうとしましたが、去年、手で思い切り払ったら顔に触手が張り付いて、口の周りを一周刺されたことを思い出し・・・
今回はただ、早く離れてくれと願いながら耐えましたが、手の甲と足首はしっかり刺されました。
絡みついている間、ずっとびりびり電気が流れているような感覚があり、「クラゲに刺されているときってこんな感じなんだ・・・!」 と心の中で感動。
【エピソード3 距離感】
自然相手の撮影で一番ドキドキするのは、イルカたちが現れるかどうか。
そして現れても、近くを通ってくれるかどうかはイルカたちの気分次第。
(遠くの方をぼんやりと通っていく姿しか見えない時もあるんです・・・!)
「イルカが映らなかったらどうしよう・・・」と、内心ずっとはらはらしていました。
しかも当初は2泊3日で4回潜る予定が、海況悪化によりスケジュールが変更に。
「このままではあした、帰りの船が出ないかも・・・!」ということで、撮影はわずか2回に短縮されてしまいました。
実は、「絶対に失敗できない・・・!」というプレッシャーの中での撮影でしたがイルカたちが興味を持って見に来てくれたおかげで、みなさんにお届けできる映像が撮れました。
そして最後にもう1つ! ご紹介したいことがあります。
それは、御蔵島でくらすイルカたちがほぼ全頭個体識別されているということ。
それぞれの体の傷や欠けから、1頭 1頭「誰なのか」がわかるようになっています。
出口通路に展示されているパネルには、個体識別情報が載った冊子「いるかいないか」も展示しています。
映像に映っていたあの子は、どのイルカ?
ホールで見上げながら、ぜひ誰が登場していたか探してみてくださいね。
お気に入りのイルカが見つかるかもしれません。
この夏、ぜひ海の中の世界をゆっくり楽しみにきてくださいね!