こんにちは、伊藤です!
前回は羅臼でのお話をしましたが、今回はコツメカワウソの「オモチ」の採血トレーニングの続きについて。
テーマは、「『オモチ』、体重増加する」です。
これまで獣医師と一緒に進めてきた採血トレーニングは、驚くほど順調。そのようすをお伝えしたのが前回までのあらすじです。
ですが、とある日を境に、「オモチ」のようすががらりと変わってしまいました。採血の準備を始めるとそわそわ。腕を引いてしまい、集中できなくなってしまったんです。
さらに、周囲の物音や気配に敏感に反応し、今まで気にしていなかったアルコールの匂いや針の刺激にも神経質に。
「どうして…? 何があったの? 」と私の頭の中はパニック状態。
思い当たる原因をひとつずつ潰していこうと、刺激の強さを調節したり、餌のタイミングを変えてみたり… いろいろ試してみましたが、効果はありません。
獣医師がいない日、「オモチ」と私の 2人きりでのトレーニングでも同じようにそわそわ。
もしかして… 私が順調だと思っていただけで、「オモチ」は本当はずっと我慢していて、ついに限界がきてしまったんじゃないか? と悩み、落ち込む日々が続きました。
しかし、ある日。
「オモチ」は、何事もなかったのかのように、けろっとした顔でトレーニングに戻ってきたのです。
いつも通りのようすにうれしい反面、「いったい何が変わったの? 」と混乱していた私。でもみなさんはもうお気づきですよね? そうです、原因は「体重」でした。
以前、先輩から「カワウソは体重の増減でモチベーションが大きく変わるよ」とアドバイスを受けていたのですが… まさかここまで影響があるとは。
カワウソは週に 1度、体重測定をしています。トレーニングがうまくいっていた時の「オモチ」は、ちょうど体重が増えていた時期。その後、少しずつ体重が増えていき、餌よりも他のことが気になるようになってしまったようなのです。
現在は、体重を一定に保つように意識しつつ、ようすを見ながら進めるようにしています。
「オモチ」の体重が上がり傾向にあると「きょうは大丈夫かな…?」とドキドキしながら体重を確認する毎日です。
そんなこんなで、「オモチ」の体重に振り回された今回でした。
さて、次回はいよいよ本物の針を使ったトレーニングに挑戦します。
「オモチ」がどんな反応を見せてくれるのか、楽しみに待っていてください! !