きのうは「おでかけえのすい」で、相鉄本線の某駅前にて海水魚などを展示してきました。
展示にもテーマがあって、今回は「地元神奈川の海と環境を伝える」でした。
陸に森や林があるように、海にも海中林とか藻場と呼ばれる植物が密生した場所があります。この辺りだと「アラメ」や「カジメ」といった昆布に似た海藻がもっさもっさ生えた岩礁や、緑色の細長い葉をもつ「アマモ」の仲間が草原のように生え広がった浅瀬などです。多くの生き物が生活の拠り所として集まって来ますし、一生のうち一時期は必ず過ごさなければならない大切な場所にしている生き物もいます。
そんな場所が最近急速に減少しているのです。
いくつかの魚種が数多く姿を見せるようになってから、生えていた海藻が再び繁茂できないほど食べ尽くされているようだともいわれています。
彼らは生きるために食べているだけで、決して悪い魚ではありません。環境が少し暖かくなったために、今までのような共存が難しくなってきているのです。
その一種として「イスズミ」という魚を紹介します。
本来は 70㎝を超える大型魚ですが、展示した「イスズミ」は全長 7㎝ほどでした。
でも、大きくなる生き物の幼い時って、なぜか心を揺さぶられるかわいさがありませんか!
必要以上に太くて頑丈そうなひれを、ちょっとぎこちなく動かしながら、大きくなるためにめっちゃ食べるんです。
雰囲気はまるで秋田犬の子どもみたい!
当館では、別個体が相模湾大水槽の前の小さな水槽にいますが、こちらはすでに 10㎝以上に成長してしまいました …。
自然下でしたら、6月頃に海面を漂う海藻をタモ網ですくえば、子犬のような「イスズミ」に出会えると思いますよ。