ミズダコ 𝘌𝘯𝘵𝘦𝘳𝘰𝘤𝘵𝘰𝘱𝘶𝘴 𝘥𝘰𝘧𝘭𝘦𝘪𝘯𝘪ミズダコって本当に魅力的ですよね。
姿かたちは明らかに人間と違うのに、じっと見つめられたりゆっくり触手が動くのを見ていると、なにか通じ合うような気がしてしまいます。餌をあげる時にこっそり触手と握手しているのは内緒の話です。
寿命が短くても、大きく成長していろんな感情や動きを見せてくれるミズダコが私は好きです。特に吸盤の動きはずっと見ていられるような魅力があり、ぼーっと見ているとストレス緩和効果もあります。あ、これは科学的に証明されていないので私だけかもしれません。
ぷりぷりの吸盤ミズダコを見ていると顔の横に開いたり閉じたりする穴があります。ずっとパカパカしているので「パカパカする穴」と名付けます。指を入れてみたくなるのですがさすがに嫌がります。いつか指を入れたいとも思っていますが、ミズダコの気持ちもわかります。なぜならそこは呼吸をするための穴だからです。私たちも鼻の穴に指を入れられたら嫌ですよね。相手の気持ちになってみるって大事です。
そういえば、少し前にお客さまから「魚に鼻はあるんですか」と質問を受けました。私はその答えに一問一答できませんでした。人間の鼻は呼吸と嗅覚という 2つの働きがありますが、魚たちは違う場所でそれぞれの働きをしていることが多いからです。タコを例にしてみると、この「パカパカしている穴」の動きで呼吸し、嗅覚は吸盤にあるそうです。海の生物って本当に面白くて、口の外に味覚があることなんて結構普通のことでもあります。いろんなまずいものに触れていてよく耐えられるなと考えてしまいますが、それが進化の過程で良しとされてきたものなんですよね。
「パカパカする穴」この「パカパカする穴」の中には何があるのか、気になりませんか?
見てはいけない未知の世界をのぞくようですが、実は詳しく調査されています。この中にはえらだけでなく、腎臓や生殖巣などの内臓や肛門があります。「パカパカする穴」を鼻の穴と表現するには申し訳ないくらいとても大事なものが入っています。内臓がここにあるために頭の上のふくらみを胴といい、人間とは頭と胴の位置が反対になっているんです。ね、面白いでしょう。
最後に、水中にあった白くて細長いものを紹介します。
異様に長かったり水中に浮いていたり沈んでいたりで初見ではわからない方も多いのですが、これはミズダコのふんです。
朝に水槽を見るとすっごく長いのが3本くらい水中を漂っていることがあります。私はふんだと認識しているのでお客さまが来られる前になるべく取り除くようにしているのですがみなさん見たかったりしますかね? 残しておいた方がいい? あ、ミズダコは吸盤でふんに触れたら強烈なにおいがするんですかね。ふんとの同居が嫌そうだったらミズダコ優先で取り除いてしまいます。今度ミズダコに聞いてみます。
ミズダコの長いフン