愛玩動物看護師の矢作です。
えのすいの生き物たち、そしてえのすいトリーターと日々仕事をしていると、「できなかったことができるようになる」場面によく遭遇します。それは偶然なこともあれば、こつこつと努力を重ねた先に待っていることもあります。
ハズバンダリートレーニングでの処置や検査もそのうちのひとつです。
前回の長野トリーターの日誌に登場した、2024年 4月 19日に当館で誕生したゴマフアザラシの「ココア」の、採血についてお話しします。
2024年 9月頃から、2名体制で「ココア」の体のさまざまな部分を触る練習を始めました。慣れてきたら、採血部位の後肢の付け根をさすったり、後肢を軽く握ったりします。そのステップをクリアすると、指で押したり、強めに握ったり、本番の注射針を模した針金や楊枝の先端で採血部位を刺激します。さらにそのステップもクリアしたら、実際に注射針を使います。本番で使用するものよりも細い針を実際に刺したり、血管を探る動きをしたり、維持したりします。ここまで来れば、採血本番です。
…と、言葉で表すのは簡単ですが、「ココア」と長野トリーターと一緒に、本当に時間をかけて丁寧に採血トレーニングを進めてきました。
左手で後肢を保持し、針金の先端で採血部位を刺激します
実際の注射針を使った練習にステップアップ
2025年 1月 初めてハズバンダリートレーニングでの採血に成功しました!地道に練習を積み重ねた結果、ついに 2025年 1月、初めてハズバンダリートレーニングでの採血に成功しました。
この「できなかったことができるようになる」までの過程は、本当に私自身にも良い経験となりました。「ココア」と長野トリーター、本当にありがとう!!
約 2週間前から新天地での生活が始まりましたが、「ココア」がいつまでも元気に過ごしてくれることを期待します。
下田海中水族館への移動前に 1枚おまけは過去の親子ショットです♪
2024年 8月 「オガ」(左)・「ココア」(中央)・「ココ」(右)
2025年 12月 「ココア」(左)・「ココ」(右)