2025年12月19日
トリーター:加登岡

「くらべてみよう サンゴとわたし」6:サンゴの成長

現在開催中のえのすい特別企画展「くらべてみよう サンゴとわたし」にちなんで、担当トリーターたちがサンゴについて思い思いの内容を日誌につづって「サンゴ」について語ってくれています。今回の日誌は第 6弾になり、何を書こうか悩み中ですが、サンゴの成長について書こうと思います。

造礁サンゴと呼ばれるサンゴの仲間たちは一度活着してしまうとそこから移動することはありませんが、そこから徐々にポリプの数を増やして大きく成長していきます。その成長速度は種類により異なり、ミドリイシの仲間は枝状にどんどん伸ばしていきますが、キクメイシの仲間は年に数センチほどしか大きくならないため、成長したかな? と疑問に思ってしまうほどです。
では、どのように成長していくかというと、主にサンゴのポリプが分裂または出芽で成長していきます。分裂はポリプが半分に分かれて、それぞれが 1つとなり、骨格が形成されて増えます。出芽はポリプの触手の横にこぶができ、そこから口と触手が形成され、新たなポリプとなり増える方法です。
現在展示しているサンゴたちも成長しているようすが分かる方法があります。
こちらはミドリイシの仲間の枝状になっている部分の先端です。

褐虫藻が入っており、全体が茶色となっています。
一方こちらは先端が白っぽくなっています。

これは白化してしまっているのでなく、成長している途中となります。よく見ると先端からポリプの触手がちゃんと見えていますよね。ここが白いのは成長途中で褐虫藻がまだ少ないため、白っぽくなってしまいます。褐虫藻が増えれば周りと同じく茶色になっていきます。
サンゴの飼育をしているとやはり成長しているかどうか気になるところです。サンゴの状態が良くないと成長はしないため、先端が白い状態だとほっと一安心です。
枝状でなく、岩を覆うように成長するタイプや横に広がるタイプのサンゴは群体の周囲全体が白く縁どられたように見えます。

サンゴの水槽で先端が白い群体を見つけたら成長中だ! と観察してみてください。

RSS