2026年04月06日
トリーター:吉田

クラゲ生産室に咲く桜

新年度を迎え、進学・進級・就職など環境が変わったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もこの 4月から担当生物が変わり、クラゲ・深海担当になりました。前にいた水族館では海獣類、えのすいに入社してからの 2年は魚類をメインに担当してきたので、人生初のクラゲ・深海担当です。これから新しいことを学ぶことが楽しみな反面、覚えることがたくさんあり毎日ばたばたしています。

えのすいでは、現在約50種のクラゲを展示していますが、バックヤードではさらに多くのポリプやエフィラを管理していて、その部屋をえのすいでは「クラゲ生産室」と呼んでいます。クラゲ生産室のクラゲたちは、毎日給餌する種もいれば、餌をあげる曜日が決まっているものもいますが、基本的には餌をあげた次の日に換水をおこなっています。残餌があると水質が悪くなり、子クラゲが大きく育たなかったり、ポリプがだめになってしまうためです。

ポリプの換水は、
1,スポイトで水を吹きかけて、残餌やごみを浮かせる
2,きれいなシャーレに中の水を移す
3,ポリプが付着している容器に新しい水を入れる
4,2で移した水の中に、はがれたポリプがいたら戻す
という手順でおこないます。

換水のようす 白い部分がポリプ、赤い部分がエフィラ。(キャノンボールジェリーの仲間)換水のようす 白い部分がポリプ、赤い部分がエフィラ。(キャノンボールジェリーの仲間)

作業自体は単純ですが、この時にポリプから 1~ 3mmほどの大きさのエフィラや子クラゲが遊離していないか見落とさないようにしなければいけません。(クラゲの生活史について詳しくは渡部トリーターが2024年 3月29日に書いた“クラゲの赤ちゃんのはなし”をご覧ください。)元気なエフィラや子クラゲが遊離していれば、大きくするために別の容器に移して育てていきます。

先日クリサオラ・プロカミアのポリプの換水を行っていたところ、ストロビレーションしており、たくさんのエフィラ幼生が遊離していました。

顕微鏡で見てみるとこんな感じです。

クリサオラ・プロカミアのエフィラクリサオラ・プロカミアのエフィラ

きれいなピンク色をしていて、桜の花が咲いているみたいです。この時期にぴったりでね。
まだまだクラゲのことをこれから勉強しないといけませんが、この春新しいことに挑戦するみなさん、一緒に頑張りましょう。

クラゲサイエンス

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