2026年09月30日
トリーター:佐野

ワムシパニック

過去何回かシオミズツボワムシについて書いてきましたが( 2026年 3月 27日えのすいトリーター日誌 「えさのお世話」)、ここ 4か月ほど、培養がうまくいかず、頭を抱えておりました。培養方法は何一つ変えていないはずなのに、、なんでうまくいかないんだろう??? シラス展示、ひいてはえのすいにくらす小さな生き物たちのごはん事情を揺るがす事態です。
担当者としてこのままではいけません! 上手くいかないときは一つずつあやしいものの可能性をつぶしていきます。

まず着目したのは培養槽の色! これまで各担当者がその日の色を見て、「きょうはこのくらいかな?」で与えていたものを統一できないか考えてみました。色見本を用意し、みんながどの色のときに、餌であるクロレラをどれだけ与えたのか記録していきます。これまで紙データのみで、見返したり、分析することのなかったワムシに関する数値を、データ化し見える化します。この際、デジタル音痴な私に代わり Mトリーターが分析しやすいシートを作ってくれました、この場をお借りしてありがとう! しかし、他にもさまざまな操作がおこなわれたため、色と個体数と給餌量について、どれだけ強く関係するか(相関係数行列や重回帰分析など)を見てみると、なかなかばらばらな結果となり、比較的あまり関係ないことを支持する結果となりました… 定量ポンプで培養している施設もあるそうなので、あまり関係ないのか?

ならば条件を揃えて次の可能性を探ればよいのです、はい次!!
今度は給餌量と水替え方法に着目してみます。かつてワムシを別の水族館で培養していたトリーターが、とっても分厚い資料をくれました。それを見てみても、給餌量は培養施設それぞれに違いがあることがわかります。また、ワムシをネットでこし取る際の物理ダメージを軽減させることで、負担を減らせないか考えます。いきなり本番の培養槽でやって失敗すると目も当てられないので、小さいバケツで実験です。上記 2点を変えて 1か月ほどようすを見ます。するとどうでしょう? 4~5日目にほぼゼロになったではありませんか(涙目)。大きな培養槽はいつもこの段階で、ダメだこりゃとリセットしてしまっていたのですが、今回はあえてそのまま培養を続けていきます。すると崩壊から 10日後に個体数が回復を見せ始めたのです。おそらく、輸送ダメージ等で新しい環境になじめなかったワムシたちが 4~5日目に一度淘汰(とうた)され、環境に適応した個体が生き残り、増殖を始めるのが 10日目くらいなのかと考えています。この結果をもって本番の大きな培養槽で再現できるかやってみることになりました。

本番開始、4~5日目、やはりワムシはほぼゼロになりました。もうきっと任せてくれた Oトリーターは気が気ではなかったと思います。それでも静かに見守ってくださいました、ありがとうございます…! さて、そこからの 10日間はこのほぼゼロ期間が続きます。覚悟はしていたものの、胃がねじり切れそうな毎日をすごしました。夜寝る前にワムシが増えることを願い、朝起きてワムシが全滅していたらどうしようとおびえます… 脳内にワムシが沸いている状態でした。いよいよリセットか否かの判断のリミットとしていた日、無事増殖を確認できました! やったぁぁ!!

現在のところ大きな崩壊もなく、安定した培養を継続中です。数字は苦手ですが、改めて、きちんと数字を残し、継続的に観察することの大切さを身をもって知ったできごとでした。

この期間中、ワムシとそれを食べるイワシのことばかり考えていたら、Mトリーターが走り書きした「ワムシ」の文字を逆さにすると「イワし」に見えるという現象まで発症しました。この関連性のある 2つの生き物が同時に表現できている感動をMトリーターに伝えたら、マグネットを付けてグッズ化してくれました。ご笑覧ください。

シャーレに書かれたMトリーターのオリジナルシャーレに書かれたMトリーターのオリジナル作成されたマグネット「ワムシ」作成されたマグネット「ワムシ」作成されたマグネット「イワし」作成されたマグネット「イワし」

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