2026年11月06日
トリーター:西川

ホネクイハナムシ大量発生計画の続き

みなさん、こんにちは!
今回は、以前のトリーター日誌でお伝えした「ホネクイハナムシ大量発生計画」の経過をご報告します。

結論から言うと、計画は順調だった時期と、そうでなかった時期がありました。
計画を始めてから半月くらいで骨の表面にホネクイハナムシが一気に増え、一時は鯨骨の周囲がホネクイハナムシでいっぱいになるほど、大量に発生させることができました。すぐに展示もして 1か月程度は良い状態だったのですが、その後、鯨骨に正体不明のポリプが発生してしまい、ホネクイハナムシは少しずつ減少していきました。ホネクイハナムシが付着している骨の表面は、ほかの生き物にとっても居心地のいい場所だったようです。

正体不明のポリプとホネクイハナムシ正体不明のポリプとホネクイハナムシ

ホネクイハナムシは、一度付着したらその場から動くことができないので、環境の変化がそのまま減少につながってしまいます。骨を丁寧に管理していたつもりでも、予想外の同居人が現れることがあるのは、飼育の難しさでもあり、面白さでもあると感じています。
正体不明のポリプを拡大してみると植物のように分岐しているなど、面白い形をしています。しかもこのポリプからクラゲが発生しています。今のところ種類もわかっていません。現時点で種類を判別するのはとても難しいのですが、育てて成熟したクラゲになったら種類も明らかになるかもしれません。育成には数か月かかるかもしれませんが、チャレンジしてみようと思います。

正体不明のポリプと遊離したクラゲの拡大正体不明のポリプと遊離したクラゲの拡大

このようなポリプがあると、ホネクイハナムシはその影響を受けて繁殖しづらくなるようなので、現在は、ポリプが発生した鯨骨とは隔離した水槽で、あらためて繁殖を進めています。
その結果、隔離した水槽の鯨骨には、小さなホネクイハナムシが発生してきました。隔離前の水槽ではホネクイハナムシがあまりにも速いスピードで減少していて、完全にいなくなってしまうんじゃないかとひやひやしながらの繁殖だったので、小さなホネクイハナムシが見えた時は本当にうれしかったです。ここから成長して数を増やしていってほしいです。

小さなホネクイハナムシ小さなホネクイハナムシ

ホネクイハナムシは寿命が短い生き物なので、世代をつなぐことが何より大切です。今回の経験をふまえて、これまで以上に慎重に管理していきます。
一時期、数が減ってしまったのは残念でしたが、うまくいかなかった理由がわかったのと、正体不明のポリプとの新しい出会いは次につながる大きな収穫です。

ホネクイハナムシは深海Ⅰで常設展示しています。私がホネクイハナムシの最高の状態を維持しておきますので、いつでも見に来てください。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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