みなさん、こんばんは。いま、夜の 10時半サンプルの処理が終わって日誌を書いています。
きょうは相模湾での潜航が 2ダイブおこなわれました。
水深 1,200mのシロウリガイやシンカイヒバリガイがたくさん群生している冷湧水域といわれるところに潜ってきました。
相模湾は非常に生物が豊富です。20日、21日と伊豆小笠原の明神海丘で潜航してきましたが、表層から深海底に降りるまでの生物の種類と量は圧倒的に相模湾が多いです。恵まれた海なんですね。
1回目のダイブではシロウリガイのたくさんいるところで潜り、シロウリガイを採集して、2回目のダイブでは同じところから海底に降りて、北の方に移動しながら目的のヒバリガイやハオリムシのたくさんいるところに行く予定でしたが、時間がなくたどり着くことができませんでした。
なかなか深海調査は思うようにはうまく行きません。本当に採集できたサンプルは宝物のように感じます。
実をいうと相模湾は小さな湾ですが、一番深いところは 1,500m以上にもなり、すぐ近くに深海の世界のある湾で、日本で始めて冷湧水域がみつかったところなのです。
相模湾は海の研究の世界では世界中に知れ渡っているほど有名な湾なのですが、残念ながら日本ではあまりそんなには有名ではないですね。
相模湾は日本における海洋研究の発祥の海で、その初めての海洋生物研究所は大森貝塚を発見したモース博士によって江の島に作られたのです。だから研究の歴史が古く世界的にも有名なのです。
みなさんも改めて相模湾の凄さを感じてくださいね。
[きょうの写真]
1日 2ダイブで、2ダイブ目の潜航準備をしているハイパードルフィン運航チーム:我々の夢を現実にしてくれる方たちです!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。