みなさんこんにちは。
採集を無事乗り切り、安心感でいっぱいの伊藤です。
深海トロールは数ある水族館の採集の中でも特にヘビーですからね。
北田さんもたいへんお疲れさまでした。
さて、漁のようすは先月の北嶋さん達と同じ感じですが、海域が違うためか、深海鮫がたくさん採れました。
漁師さん的にはちょっと物足りない成果だったみたいですが、ヤモリザメ、ボウズカジカ、各種コシオリエビなど元気な状態で連れてくることができました。
今後は漁のダメージを回復させるべく頑張りたいです。
トロールは「船で引張る地引網」と考えていただけると分かりやすいです。入網した生物は網の中でもみくちゃにされ、一気に引き上げられるため、ダメージが大きいのです(地引網の経験がある方は分かりますよね)。
そんなわけで、残念ながら死んでしまった魚もありましたので、今回も食べてみることにしました。
昨年に引き続いて、深海生物の晩餐パート2です。
軽くさばいて持ち帰り、家族に料理してもらいました。
ダンゴイカとエビはさっと洗って皮を処理し、ワサビ醤油でツルっといきました。
甘くて程よい歯ごたえが嬉しい・・・ !
ゴリッと違和感、うっかりカラストンビがそのままでした。
魚はまとめて、ショウガを利かせた味噌汁に。
フサアンコウはグロテスクな外観とは裏腹にいいダシが出ており、ゼラチン質がなかなか。
ザラガレイは小さくて小骨が鋭く、あまりかまずにかっこむ私は何度かひやりとしましたが、味はさすがカレイ。
そしてギンザメ。骨と皮をしっかり取らずにいただきましたが、コリコリとやわらかくてそのまま食べられました。
さすが軟骨魚類です。深海生物の美味しさ、少しは伝わりましたでしょうか。
深海トロールでは実に多様な生物が採集されるのですが、食材として市場に行くのは一部です。
まっとうな値がつくブランド種はさらに少なく、その他は雑魚として捨て値で引き取られるため、漁師さんが自分たちで食べたりするのです。
こんな豊かな海の恵みを余すことなく私たちの食卓で楽しめる日が来ることを願ってやみません。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。